幸福の科学・大川総裁の長男が俳優デビュー 親バカぶりが浮き彫りに

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 信仰のためには、時としてなりふり構わず。古今東西、宗教家が繰り返してきた振舞いである。「幸福の科学」の大川隆法総裁もまた、ご多分に洩れず。このたびご長男(27)が俳優デビューしたとかで、あの大ヒット作を引き合いに、親バカぶりまで浮き彫りに……。

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 さる幸福の科学ウォッチャーが言う。

大川宏洋氏(ニュースター・プロダクション公式HPより)

「12月7日、教団の祭典『エル・カンターレ祭』が幕張メッセで催され、そこで大川総裁は映画『君の名は。』に言及しました。いわく、『魂の入れ替わりや運命などを信じなければ成り立たないアニメだと思う』とのことで、RADWIMPSの歌う主題歌『前前前世』についても『非常に人々の心に食い込んだ』と持ち上げたのです」

 同曲について総裁は、

〈魂や霊界があり、何度もの転生輪廻があり、その過程で多くの人たちがさまざまな結びつきを持っているという世界観が前提となっている〉

〈これを多くの人たちが受け入れたということは、幸福の科学を受け入れる前段階だと考えていいのでは〉

 などと自説を展開したという。まさしく物は言いようで、実は17年夏、総裁の原案による実写映画の公開を控えているのだ。

「“スピリチュアル・ミステリー”と銘打った青春映画で、その名も『君のまなざし』。主演は教団の芸能事務所の所属俳優ですが、同社の社長で総裁の長男である宏洋(ひろし)副理事長も出演。俳優デビューを果たします」(同)

 長男はこれまで自作映画のプロデューサーを務め、9月には何とCDデビューしている。今回は父の作詞作曲した主題歌を引っ提げ、そこに俳優の肩書まで加わるというわけだ。

■相変わらず我田引水

 前出の幕張メッセでも、総裁の前座で長男が登場。マイクを振り回しながらロックとも歌謡曲とも形容しがたい2曲の持ち歌を披露したのだった。

「歌唱力と呼べるレベルではありませんでしたけれど、総裁はそれを受け、『当会のにわかグループ(息子のバンド)の方が、RADWIMPSより、よほど上手い気がしてならない』などと褒め称えていました」(同)

 総毛立つような身びいきを展開した教団に、あらためて聞くと、

「大川宏洋氏が当日初披露した主題歌は、映画の世界観の深みを表し、霊的バイブレーションに満ちた素晴らしい曲と演奏でした」(広報局)

 としつつ、「君の名は。」が当たった理由について、

「背景には、30年間にわたり公開霊言や講演・書籍を通じて霊的世界観を訴えてきた当教団の活動もあると考えています」

 そう主張するのだ。ジャーナリストの藤倉善郎氏が言う。

「幸福の科学の特徴の1つに、大川総裁の強い政治的野心があります。実際に12年には『助かりたかったら私の本を読みなさい』と過激な街頭演説もしていた。それでも09年の結党以来、幸福実現党は国政で一人の当選者も出せず、総裁にも弱気が見られるようになってきた。先日刊行された霊言本では、教団製作の映画について“後世で評価されればよい”といったニュアンスの発言もしています」

 そうした現状にあって、

「長男が表舞台に出てきたのは頼もしいのでしょうが、流行のエンタメを取り上げても、相変わらず我田引水ばかり。いまだ大きな勘違いをしたままなのです」(同)

 父子ともども、目が覚めるのはいつの日か。

ワイド特集「夜明けの鶏(チキン)レース」より

週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号掲載

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