映画「ポケモン」興収が伸び悩み 原因はポケモンGO?

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 夏休み、親子連れで楽しめる人気アニメ映画が手堅く観客を集めるものだが、今夏はちょっと異変が。

「ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」は、1998年に始まったポケモン劇場版の19作目にあたる。

「ポケモン映画は1作目で興行収入72億円余りを記録、その後も40億円台など軽いものでした。邦画で毎年ベスト10入りが当たり前という、うらやましいほど安定したシリーズなのです」

 と、映画記者は解説する。

「今年も7月16日の公開から3日間で43万人余りを動員、興収は約4億7600万円と好ダッシュ。昨年スタートした新たなテレビアニメシリーズの劇場版とあって、すぐにでも観たいという子供が多かった」

 ところが、約1カ月を経た8月14日までの興収は16億円余りと伸び悩んでいる。

「実はここ2年ほどかげりが見えていました。14年夏で興収が30億円を切り、昨夏は約26億円と落ち込みつつあったのです」(同)

 今年はその額にも届かず、このペースだと20億円を超える程度にしかならないのでは、と見られている。

「ポケモンのライバルはポケモンでした。スマートフォン向けのゲームアプリ、ポケモンGOが日本で配信されたのが7月22日。映画公開の翌週だったのです。相乗効果を呼ぶどころか、ポケモン好きは、映画は後でも観られるとばかりに、暑い屋外に繰り出してしまいました」(経済部記者)

 事の次第に気づいたのか、TOHOシネマズ、アメリカのナイアンティック、株式会社ポケモンの3社は、ポケモンGOとのコラボレーションを実施すると合意。映画館をゲームの重要なアイテムを入手できるポケストップにするそうな。

 興収GO!といくか。

週刊新潮 2016年9月1日号掲載

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