河野洋平・元衆議院議員の妄言 拉致被害家族は「あなたはどこの国の政治家ですか」

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責任を取らない河野氏

 河野氏は、北朝鮮に謝罪し、支援もして、国交正常化してから、ようやく拉致問題に取りかかるのがスジだと言ったのである。

 これに対して呆れ憤るのは、拉致された増元るみ子さん(当時24歳)の弟、増元照明氏(62)である。

「一体どこの国の政治家なんでしょうか。先に国交正常化などしたら、拉致問題は解決済みのこととされ、拉致被害者は殺されてしまうかもしれません。そもそも2000年のコメ支援の時、われわれ拉致被害家族は、支援などもってのほかと座り込みの反対運動をしたんです。その時、当時外務大臣だった河野さんは、われわれを呼んでこう言いました。『私が北朝鮮を支援することによって、責任をもって拉致被害者を取り戻す』と。あれから18年たっているわけですが、河野さんはどんな責任を取りましたか。責任を取らない政治家なんてダメですよ」

 そして、米朝会談を文大統領の功績としていることに首を捻るのだ。

「韓国の拉致被害者は、日本人よりも多いのです。それなのに文大統領は、金正恩との会談では、自国の被害者についてひと言も話した形跡がありません。いくら南北融和といっても、被害に逢っている自国民の安全に触れない大統領がいい政治家とは、とても思えません」

 米朝会談では、トランプ大統領(72)が日本人拉致について言及したという。

「トランプ大統領が日本の拉致被害者に触れてくれたことは、本当にありがたいです。安倍(晋三)さんとトランプ大統領との信頼関係があってこそ、おそらくは安倍さんがしつこく言い続けてくれたからだと思いますが、これまでどんなルートを使っても、北朝鮮に話が通じているのかすら分からなかった拉致問題について、トランプ大統領が直接言及してくれたことには、感謝しかありません。おかげで日朝協議の芽が出てきたわけですから。日朝協議でどのくらい話が進むのかは分かりませんが、今こちらから焦った動きを見せれば足下を見られます。慎重にかつ迅速に進めていってもらいたいです。だからこそ、こんな大事な時に、あんな発言をする河野さんは、信じられません。仮にも日本の政治家だったのなら、韓国の歴史でなく、日本の正しい歴史を学ぶべきです」

 こういう人物が総理大臣にならなかったことが、せめてもの救いか。

週刊新潮WEB取材班

2018年6月22日掲載

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