女性飼育員の気道に牙…ライオン・ナナの“野生の証明”

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 獅子は生まれて3日にして虎を食う気あり、である。やはり、ライオンは簡単に飼い慣らされるものではない。小諸市動物園(長野県)のアイドル的存在だった15歳の雌、ナナが野生の本性を露わにして女性飼育員に牙を剥いたのだ。

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 2月26日の午前9時半ごろのことだ。

「池の近くで作業中の男性飼育員に、3歳くらいの男の子を連れた夫婦から“ライオンに人が襲われている”という一報がありました」

 と説明するのは、動物園を管轄する小諸市商工観光課の平井義人課長である。

 男性飼育員はすぐさまライオン舎に駆けつけると、展示場の床に大井沙耶香さん(22)が倒れ、その右脚太腿に噛みつくナナを発見したという。

「さらに、騒ぎに気づいた主任飼育員も急行し、その時点で大井さんは展示場とナナの寝室を繋ぐ通路に引きずり込まれている状態でした。一刻も早く助け出そうと2人はホースで水をかけ、ナナを引き離した隙に大井さんを助け出した。救助にかかった時間は5分くらい。大井さんはすぐに救急車で病院に運ばれましたが、全身に引っ掻き傷や噛み傷があり、特にひどかったのが咽喉の傷で、気道にまで達する深さでした」(同)

 幸い命に別状はないものの、現在、ICUに収容中で事故原因についての聞き取りもできていないという。

「実は、ナナは子宮内膜炎を患い、2月上旬から展示を中止していました。だから、展示場を掃除する必要はなく、大井さんも掃除用具を手にしていた形跡はなかった。なので、何の作業をしていたのか、なぜ展示場と寝室を繋ぐ通路の扉などを開ける必要があったのかが不明で、大井さん本人に聞いてみなければわからない状況です」(同)

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