J2長崎、社長と専務が突如退陣 「ジャパネット」も困惑の刺し違え事件

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昨季は15位に低迷(V・ファーレン長崎公式HPより)

 Jリーグ開幕が2月25日に迫るなか、J2「V・ファーレン長崎」の社長と専務が突如退陣した。運営費の使途を巡りJリーグの監査も受けているという。

「巷では、二人の確執が囁かれています」

 とスポーツ紙サッカー担当記者が解説する。

 2005年に創立した同チームの初代監督は、長崎銀行に勤務していた岩本文昭氏(48)。長崎・国見高のOBで、自身の県内サッカー人脈を駆使して、チームの立ち上げに尽力したという岩本氏は、後に同チームの専務に就任した。

 転機は昨年4月だった。

 新社長に、池ノ上俊一氏(50)が招聘されたのである。横浜フリューゲルスに入団し、日本代表にも選ばれている池ノ上氏は、鹿児島商業高出身の薩摩隼人だ。

「県外出身者の彼が就任したのは、13年から監督を務める高木琢也氏(49)の存在が大きかった」(同)

“アジアの大砲”の愛称で、日本代表でも活躍した高木氏は、国見が初めてインターハイに出場した際の主将。岩本氏の一つ先輩でもある。

「その高木監督の大阪商大時代の一つ先輩が、池ノ上氏なのです」(同)

 県外出身の“落下傘”社長と、創業以来暖簾を守ってきた地元出身の叩き上げ専務。ぎくしゃくするのもむべなるかな、である。

 池ノ上社長は3月の臨時株主総会で辞任する見通しだ。岩本専務は1月末日付で既にチームを去った。

「同チームは、16年決算でJ2に参入した13年以降最大となる約1億2000万円の赤字を計上する見込み。その経営責任を誰が取るのかということになり、結局、両者が刺し違える形になりました」(同)

 長崎県佐世保市に本社を構え、チームの大口スポンサーである「ジャパネットたかた」も、

「選手が気持ちよくプレーできる環境を早く整えてほしい」(同社広報室)

 と困惑するばかり。

 ちなみに「ファーレン」はオランダ語で“航海”の意。海路に日和は訪れるか。

週刊新潮 2017年2月23日号掲載

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