私大出身初の新事務次官は日本の恥 特技は“肛門にロウソク”

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 永田町界隈では、「高木(毅・復興相)と言えばパンツ」で、「杉山と言えばロウソク」である。こう符丁で呼ばれるのが、他ならぬ杉山晋輔外務審議官(63)。何のことはない、料亭で肛門にロウソクを立て、火をつけ座敷を這い回る特技の持ち主だ。そんな外務省ナンバー2の事務次官就任が内定。外国に顔向けできぬ日本の恥である。

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外務省

 6月に入れば官僚たちの人事の夏が始まる。城山三郎著『官僚たちの夏』の主人公は、上着もネクタイもつけず、ワイシャツの襟ボタンを外し、両腕の袖をまくるキャリア通産官僚。一方で杉山審議官は両手に指輪、香水の強い匂いを振りまく。ともあれ、官邸スタッフに経緯を解説してもらおう。

「斎木さん(昭隆次官)がポストに就いたのは、ちょうど3年前。安倍首相や岸田外相の信頼が厚く、“自分たちの在任中は、斎木にやってもらわなくては”と話すほどでした」

 とはいえ外務省としては、組織の新陳代謝を理由に、「次官交代」を進めたかったのが本音で、

「経産次官に1981年入省の人物が就いているのに、斎木さんは76年組。余人をもって替えがたいと先延ばしになってきましたが、5月末の伊勢志摩サミットを花道に交代が確実です」(同)

 外務省関係者が後を受け、

「後任は77年入省の杉山。ライバルの秋葉(剛男・総合外交政策局長)が次官になると斎木さんと6年も年次が違うから、幹部だけでも100人の異動が見込まれる。となると一時的に外交の停滞は避けられません」

 では、省内事情も手伝ってトップに立ちそうなナンバー2の、恥ずかしい過去に立ち入って行こう。

「杉山は93年8月から、当時の斎藤次官の秘書官を務めました。彼は次官に目をかけられていたから、幹部らが領収書や請求書を杉山に託すと、次官の名で簡単に決済が下りる。つまり機密費を意のままに動かせた。幹部もツケ回しのために重宝がって、杉山の名から『S基金』と呼んでいました」(別の関係者)

 その立場に乗じ、決済に関与した金額は2億円を下らない。具体的な使い道は、

「料亭やクラブでの飲み食い、タクシー代の多額請求といったもの」(同)

 そのうえ、鈴木宗男元内閣官房副長官の『闇権力の執行人』にも、こうある。

〈料亭では、裸になって肛門にろうそくを立て、火をつけて座敷中を這い回るという「ろうそく遊び」なる下劣な座敷遊びに興じていた〉

■“我が国が統治していた”

「杉山氏が韓国公使時代の2001年のことです」

 と振り返るのは、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏。鈴木氏と共に、航空便の乗り換えでソウルに立ち寄った際のエピソードを披露してくれる。

「杉山公使は、“時間がないので、スタンプを押さないで入国します。私と一緒なら心配ありません”と言いました。入国してから公用車を飛ばして向かった先は、ソウル市内の高級焼肉店。鈴木さんが、“許可を取っていないのに空港外へ出ても大丈夫か?”と尋ねると公使は、“かつて我が国が統治していた国ですから問題ありません”と答えたのです」

 彼の国の大統領が聞けば訴追されそうな話である。

 それに加えて、

「会食後に鈴木さんが、“大使館職員の慰労に”という気持ちで1000ドルを渡すと、何のためらいもなくポケットに入れていました。彼は“三かく”、すなわち、義理、礼儀、そして恥をかく代表的な外務官僚です」

「そうは言っても……」

 と、佐藤氏はこう付け足すのである。

「オバマ米大統領の『5月広島訪問』実現のため、彼はかなり汗もかいた。出世のためなら異常な力を示す、とても“有能”な男。それが国益のために発揮されることを祈っています」

 ナンバー2はこれまで、一連の疑惑を口酸っぱく否定してきた。そして今回も現認証言を認めなかったが、ロウソクはクロとウソから成る。外交という権謀術数を巡らす世界に、腹黒さと嘘は不可欠に違いない。

「ワイド特集 酸っぱい経験」より

週刊新潮 2016年6月2日号掲載

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