「キリンメッツコーラ」に脂肪抑制効果ナシ 消費詐欺「トクホ」の大嘘

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2015年度の市場規模は6391億円(マーク出典:消費者庁ウェブサイト)

 国民の健康増進を目的にトクホ(特定保健用食品)制度が始まったのは1991年のこと。現在では数多くの商品が発売され、すっかり身近な存在となっているトクホだが、そこには国とメーカーによる壮大な“消費詐欺”の実態があった。

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 トクホ全体の3分の1を占め、様々な効能がうたわれるのが「難消化性デキストリン」(※以下、難デキ)である。「ペプシスペシャル」(サントリー食品インターナショナル)や「キリンメッツコーラ」(キリンビバレッジ)、「食事と一緒に十六茶W(ダブル)」(アサヒ飲料)、「からだすこやか茶W」(日本コカ・コーラ)といった商品で、この“魔法の成分”が使われている。

 各社は「脂肪」への効果をアピールするが、

「難デキには脂肪の吸収を抑制する効果はない」

 と断言するのは、千葉大学名誉教授の山本啓一氏(生理学・生化学)だ。山本氏によれば、トクホ商品の多くが根拠としている論文は、難デキの主要な製造元である「松谷化学工業」の研究者らが作成したもの。そこでは、難デキを摂取した実験群と未摂取の比較対照群を比べ、糞便として排出された脂肪量が前者は「1・44グラム」、後者は「0・77グラム」と、排出量に2倍の差がついたとの実験結果が記されている。

 だが、ここに数字上のゴマカシが――。それぞれが摂取した「脂肪量」に対する“排出されなかった脂肪量の割合”を計算すると、

「実験群は97・4%、対照群は98・6%。その差はわずか1・2%です」

 これは生物学の世界では誤差の範囲であると、山本氏は指摘。難消化性デキストリンに、脂肪吸収抑制の効果はないのだ。

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 3月23日発売の「週刊新潮」では「伊右衛門 特茶」(サントリー食品インターナショナル)の「体脂肪」への効果にも言及。このほか、「リカルデント」(モンデリーズ・ジャパン)や「ヘルシーコレステ」(日清オイリオ)など、実際の商品名を挙げ、トクホの“大嘘”を11ページにわたって特集する。

週刊新潮 2017年3月30日号掲載

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