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シロ判定だった三浦九段、将棋連盟への金銭補償請求は

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週刊新潮 2017年3月30日号 
2017/3/23発売

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三浦弘行九段(日本将棋連盟より)

 あの騒ぎは何だったのかと首を捻るファンも少なくないだろう。将棋の三浦弘行九段(42)が、将棋ソフトを使って“カンニング”したという疑惑に将棋連盟が下した判定はシロ。だが、一連の騒動は、これにて投了となるのだろうか。

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 日本将棋連盟が会見を開いたのは、暮れも押し迫った12月27日のこと。神妙な面持ちで登場した谷川浩司会長の発言は、奥歯にモノが挟まったという表現がピッタリだった。

〈今回の報告書では、三浦九段は不正を行っていないこと、常務会が出場停止処分を取ったのは妥当であること、この2つの結論を頂きました〉

 この疑惑、そもそもの経緯をおさらいしておくと、発端となったのは、昨年7月26日に行われた竜王戦決勝トーナメントの準決勝戦だった。久保利明九段との対局で三浦九段が、逆転勝ちを収める。ところが、久保九段を始め複数の棋士が“将棋ソフトを使っていたのではないか”と異議を唱えたのだ。

 実際、ほとんどの棋士が休憩を取らない終盤に、三浦九段は一手ごとに対局室から退室。また、控室で寝転がってスマホの操作をしているのを目撃されるなど、怪しい行動が次々と指摘された。さらに、将棋ソフト「技巧」を使うと久保九段との対局が、終盤で一致率93%という異様な高さを示したことも疑惑を深めたのである。

 10月3日、渡辺明竜王とのA級順位戦で三浦九段が勝つと、連盟は慌てて出場停止の処分を下す。以来、2カ月の間、この問題は第三者調査委員会の手に委ねられてきたのである。調査とはいかなるものだったのか。

■1億円もある

 将棋連盟の関係者によると、調査委員会は三浦九段から提出を受けたスマホやパソコンの解析を外部業者に委託。さらに公式戦350局の棋譜をソフトと比較するなどの調査をしている。しかし、問題とされた対局でソフトを使った痕跡は確認できず、また、棋譜の一致率は状況によって20%近いバラつきが出てしまったという。結局、これをもって不正の根拠にはできないとなったわけだが、具体的な解析方法は明らかにしていない。言うなれば「疑わしきは罰せず」だが、元検事総長など法曹界の重鎮を揃えた調査委員会の結論には、棋士からも異論を挟みにくいだろう。

「連盟は調査委員会に合わせて2000万~3000万円もの大金を払っていますが、結論がこれでは、厳しく追及するよりも手打ちにして幕引きを図りたかったのでしょう」(先の関係者)

 シロ判定となった三浦九段に対して、連盟は「来期A級の地位保全」、「竜王戦は不戦局」という措置を発表している。が、これで収まるはずがない。

「三浦九段は、もう一度竜王戦をやり直すか、来期の挑戦者を自分にしてほしいなどの希望を出しています。しかし、これはスポンサーの意向もあって難しい。そうなると、金銭での補償となるわけですが、竜王戦に出場していた場合の準優勝賞金に加え、優勝の可能性も勘案しないといけない。加えて精神的苦痛に対する慰謝料、マスコミを避けるためにかかった生活費などを合わせると1億円を要求してきても不思議ではない」(同)

 そこで、将棋連盟の島朗常務理事に聞くと、

「後は三浦さんが復帰しやすい環境を作ることが大事ですよね……」

 と語るのみであった。

ワイド特集「最後の福袋を買い占めろ!!」より

  • 週刊新潮
  • 2017年1月19日号 掲載
  • ※この記事の内容は掲載当時のものです

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