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女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか 「自由」になった古舘伊知郎さんが目を惹きつけられた記述は?

■古舘さんが語る「女性のエクスタシー問題」

なぜエクスタシーで叫ぶのか

「報道ステーション」降板後、古舘伊知郎さんが、NHKのほか民放各局に出演して、活躍をしています。報道番組は窮屈だった旨はあちこちで語っていますが、その反動からか、現在はかなり羽を伸ばしたトークも披露しているようです。

 2016年12月24日の夜にテレビ東京で放送されたトーク番組「華麗なる雑談~古舘とジュニアと○○~」では、その「自由さ」が頂点に達したさまが見られました。「なんでそんなこと言ったんだ! 2016年失言大賞」と題したコーナーで、古舘さんは、最近「面白くて一気に読んだ」本として『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(橘玲・著)を挙げて、紹介しました。本のオビにある「この本の内容を気安く口外しないでください」というコピーを踏まえて、「本当の真実はあられもない。だから気安くなく重く口外したい」というのが古舘さんの前口上。

 そのうえで、世の中でタブーとされていることについて、さまざまな研究結果を紹介した同書の中から、古舘さんが紹介したのは何と「女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?」というテーマだったのです。古舘さんは、この放送ギリギリのテーマを、さすがの話術で上手にダイジェストして伝えていました。

 そこまで上手にまとめられるかどうかはわかりませんが、番組を見逃した方のために、そして未読の方のために、同書からこれに関連した部分を抜粋してご紹介してみましょう(以下は『言ってはいけない』より)。

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■人間は乱婚である

 心理学者のクリストファー・ライアンと精神科医のカシルダ・ジェタは「ヒトはテナガザルと同様に一夫一妻である」という通説に疑問を投げかけた。

 霊長類には、一夫一妻制の種(テナガザル)もいれば、一夫多妻制の種(ゴリラ)、乱婚の種(チンパンジーやボノボ)もいる。

 このうちテナガザルは進化のうえではヒトとは関係が薄い。もっとも関係が近いのはチンパンジーやボノボなのだ。

 それなのに、なぜヒトとテナガザルを同じくくりにするのか。さまざまな霊長類の生態を踏まえて、ライアンとジェタは次のように問う。

「霊長類のなかで、発情期にかかわらず交尾し、性行為をコミュニケーションの道具に使うのはヒトとボノボだけだ。そのボノボは、一夫一妻制のテナガザルや一夫多妻制のゴリラより進化的にはるかにヒトに近い。だとしたらなぜ、ヒトの性行動を考えるときにボノボを基準にしないのか」

 そして、彼らは「ヒトの本性は一夫一妻制や一夫多妻ではなく、(ボノボと同じ)乱婚である」と宣言した。つまり現在世界で採用されている制度(一夫一妻制や一夫多妻制)は人間の社会の産物に過ぎない、というのだ。

■エクスタシーで叫ぶ理由

男性と女性のオルガスムはどうして対照的なのか

 この仮説を立てることで、2人の学者は「女性がエクスタシーで叫ぶ理由」も合理的に説明できる、とした。

 ヒトの本性が一夫一妻制であれば、女性には性交の際に声をあげる「進化論的な」理由はなくなってしまう。先史時代のサバンナには獰猛な肉食獣がいたのだから、声によって自分の居場所を知らせるのはきわめて危険だったはずだ。

 誰でも知っているように、男性と女性のオルガスムはきわめて対照的だ。

 男性は挿入後の何回かのピストン運動でたちまち射精し、いったん射精すると性的欲望は消えてしまう。

 それに対して女性の性的快感は時間とともに高まり、繰り返しオルガスムに達する。

 この違いをこれまでの進化論はうまく説明することができなかったが、ライアンとジェタは乱婚説から鮮やかに謎を解いてみせる。

 男性が短時間でオルガスムに到達するのは、女性が大きな声をあげる性交が危険だからだ。旧石器時代の男性にとっては、素早く射精することが進化の適応だった。

 それに対して女性には、大きな声をあげることに、身の危険を上回るメリットがあったはずだ。それは、他の男たちを興奮させて呼び寄せることだ。これによって旧石器時代の女性は、いちどに複数の男と効率的に性交し、多数の精子を膣内で競争させることができた。そのためには、声だけではなく、連続的なオルガスムが進化の適応になるに違いない。
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 以上は、あくまでも外国の研究者が立てた、ひとつの仮説及び研究成果に過ぎないことをお断りしておきます。ただ、この話を流れるように説明する際の古舘さんの表情はとても活き活きしていたのは確かです。勢い余ってか、ご自身は「その時」には、「うっ」と声を出してしまうことまでカミングアウトしてしまいました。きっと「報道ステーション」では決して扱えなかったテーマを語れること、自由を味わっていることに、快感を覚えていたからに違いありません。 

デイリー新潮編集部

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