王者に復活のパッキャオ、フィリピン大統領選への出馬は

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 生ける伝説と呼ばれるボクサーが、再びリングに上がった。現地時間の11月5日、米国ラスベガスで行われたWBO世界ウェルター級タイトルマッチで、“フィリピンの英雄”マニー・パッキャオ(37)が、10歳年下のチャンピオン、米国のジェシー・バルガスを判定で下して王者に返り咲いたのだ。

3―0の判定で勝利

 パッキャオは、サウスポーのハードパンチャー。類稀なるスピードとスタミナを武器に6階級を制覇した天才ボクサーだ。格闘技雑誌の記者によれば、

「4月に引退試合を行ったので、僅か7カ月での復活です。スラム街で生まれ育ったパッキャオは16歳でデビューした時のファイトマネーは2ドル。後に、“路上で物を売らなくて済むのが嬉しかった”と振り返っています」

 今回のファイトマネーは400万ドル(約4億円)。やはりカネ目当ての復帰か。

「経済的に苦しいわけではありません」

 こう語るのは、パッキャオと親交があり、昨年の誕生会にも出席したスポーツライターの高須基一朗氏だ。

「今回のファイトマネーを除いても、彼の個人資産は公表ベースで約39億円。実は、熱心なクリスチャンで慈善活動にも取り組み、現役中からスケジュールの合間を縫って教会へ足を運び聖書の読み聞かせをしたり、多額のファイトマネーを寄付して新たに教会を建設しています。選挙で当選したのも、こうした活動が少なからず影響しているでしょう」

 パッキャオは、2007年の下院議員選では“KO”されたが、その3年後に初当選し、今年5月には上院議員選で勝利している。彼の地では、早くも6年後の大統領選出馬も囁かれ始めているという。

「大統領の任期は6年で再選禁止。議会への出席率が低く、政治家として経験不足と指摘されているが、抜群の人気は侮れない。ドゥテルテ大統領とも親しく、国を思う気持ちが強いので間違いなく大統領選への出馬を考えているはずです」(同)

 これまでの強敵に比べたら、大統領への道は、それほど険しくはないかもしれない。

週刊新潮 2016年11月17日号掲載

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