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河合奈保子が「第2のちあきなおみ」に 休業20年で写真集とDVD発売

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週刊新潮 2017年3月30日号 
2017/3/23発売

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 デフレがどうたらこうたらで、年金運用損がうんたらかんたら……。ハーッ。老人の愚痴めいた言い草になってしまって何だが、あの頃は良かったな~。まだ日本が元気だった1980年代にアイドルとして活躍した河合奈保子。16歳でデビューした彼女も、現在は53歳の立派なオバサンである。が、今なお「奈保子熱」は冷めていないようなのだ。

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今も「あの時代」のまま

 80年に「西城秀樹の妹」として、「ふくよか」な肉体を誇る河合は颯爽と芸能界に登場。「エスカレーション」などのヒット曲を飛ばし、80年代を駆け抜けた。その後、96年に結婚し、翌年休業。以来20年近く表舞台に現れていない。にも拘(かかわ)らず、今月31日に写真集とDVDが同時発売されるのだ。

「デビュー35年だった昨年、週刊誌に河合のグラビアが掲載されたところ、往年のファンを含め、非常に評判が良かったと聞きました」

 こう説明するのはかつて河合が所属し、現在、彼女の窓口役となっている芸能事務所の「芸映」だ。

「それを受けて、日本コロムビアさんから、昔のライブ映像をもとにしたベスト・アルバムをDVDで出したいとのお話をいただいた。その後、マガジンハウスさんからも『平凡』で撮っていた素材を使って写真集を出したいとの話があり、同時発売させていただくことになりました」

■「魅力が真空パック」

 コロムビアの担当者は、

「河合さんのファンは、今ではCDや雑誌でしか彼女に会えない。だから根強い人気を保っている。渇望感があるんだと思います」

 と分析し、マガジンハウスの担当者も、

「露出しないミステリアスさが、逆に彼女の魅力を増大させているのでしょう」

 確かに、隠されれば覗き見たくなるのが人間の性(さが)ではある。河合の衰えない人気の源泉を、

「当時10代だった少年にとって、河合さんの水着グラビアは強烈なインパクトを残しました」

 として、江戸川大学の西条昇准教授(アイドル論)はこう解説する。

「その上、彼女は歌が上手で、同世代アイドルの松田聖子や中森明菜と違ってスキャンダルがなく、『男の匂い』を感じさせなかった。つまり、彼女の魅力は今も真空パックされたままなのです。その点、絶頂期に引退し、全く露出がないちあきなおみさんの人気と似ている。そんな彼女をDVDや写真集で見直すことで、40代、50代の男性は、輝かしかった自分たちの青春時代を取り戻しているのでしょう」

 なるほど、ファンは河合に80年代の「明るい日本」をダブらせ、彼女の姿とともに「あの時代」を懐かしんでいるのかもしれない。

「慶賀の至りですな」

 と、この度(たび)の同時発売を寿(ことほ)ぎつつ、昔年のアイドル通として知られ、河合の曲を全て歌えるという自民党の石破茂代議士が締める。

「『エスカレーション』『ハーフムーン・セレナーデ』『愛をください』。車中、カセットでよく聴いたものです。クオリティが高かったなあ。単なるアイドルというよりも、綺麗な娘が綺麗な歌を歌っている感じで、今どきのアイドルが『いそうでいる可愛子ちゃん』なのに対し、河合奈保子の場合、『いそうでいない』味があるんですな」

 彼女は現在、家族とともにオーストラリアで暮らしていて、文字通り日本には「いない」。

 なお健在の不在アイドル。

「ワイド特集 鉄の女の『金』『銀』『銅』」より

  • 週刊新潮
  • 2016年8月11・18日夏季特大号 掲載
  • ※この記事の内容は掲載当時のものです

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