泥酔女性を自室に監禁男、目的は“寝顔鑑賞”? 危険ドラッグ使用の可能性も…

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

 6月18日、会社員の女性(28)を監禁したとして、神奈川県相模原市の派遣社員・栗田良文(33)が逮捕された。事件が起きたのは同月4日のこと。山手線内で泥酔状態だった被害女性が目を覚ますと、栗田の部屋に運ばれていたという。所轄の相模原警察署には昨年9月から同様の相談が寄せられており、また栗田が“お姫様抱っこ”で女性を運ぶ姿がたびたび目撃されていた。現場アパートの隣に住む婦人によれば、犯行は「いつも土曜、日曜の朝でした」。翌日からの休みを前に羽目を外して深酒した女性を探し求めていたと推察される。

 ***

神奈川県相模原市の派遣社員・栗田良文(33)の自宅

 さらには被害女性たちの様子にもある共通項が見られる。所轄の相模原警察署には女性からの同様の相談が他に4件寄せられており、いずれも20代の女性。昨年9月、今年1月、4月、6月(2件)に発生したが、全員、ほぼ一日、栗田の部屋で眠り続けていたのである。睡眠に詳しい医師が解説する。

「いくら痛飲したからといって、女性たちが全員、24時間以上、眠り続けたというのは異様です。これは睡眠薬が使用されたと見て間違いない。ハルシオンなどの睡眠導入剤を混ぜた水を飲ませたのではないでしょうか。ハルシオンなら即効性がある。反面、副作用も危険で、飲酒した人が飲むと、朦朧状態や転倒を繰り返す症状が見られます」

 事実、栗田は「酔い止めと称して睡眠導入剤を飲ませた」と供述しており、こうした症状をきたした女性の目撃談もある。近所の男性が明かす。

「1カ月ほど前の夜8時頃、あの男がアパート近くで20代前半の女性と歩いているのを見かけました。女性は酔っ払っているなんてものじゃなく、危ない薬物にでも手を出しているんじゃないかと疑いたくなるほどフラフラの状態。事件性があるのではと心配になり、2人の後を尾行しました。近くの南橋本駅に向かっていましたが、この間、女性は何回も何回も転んでしまうんです。でも奴は転倒した女性を助け起こしたり、肩を貸すこともなく、冷淡に一瞥をくれるだけ。結局、駅で女性だけが電車に乗り、男は帰っていきました」

 これを受け、元東京都監察医務院長の上野正彦氏も、

「記憶障害や転倒を考えると、睡眠薬だけではなく、今流行りの危険ドラッグを混ぜていた可能性もある」

 いずれにしろ薬物を使った監禁常習男である可能性が濃厚なのだ。

■衣服は着たまま…

 この栗田、自宅近くの電子機器製造会社で派遣社員として働いていたが、捜査の進捗状況はどうなっているのか。相模原署副署長の話を聞こう。

「警察に女性から通報があったのは、本件を除くと、あくまで4件だけ。直近は6月12日。なぜこれまで事件化できなかったかというと、他の女性たちはいずれもフラフラの状態で監禁された部屋から逃げ出しており、その場所を正確に思い出せなかったからです」

 栗田の部屋からは薬剤が押収されているという。

「何の薬か、捜査を進めている。女性が睡眠薬などを飲まされていたかどうかは検査中。身体に危害が加えられていたかどうかについても調査中ですが、ただ衣服は着たままの状態で目覚めています。被疑者は、自分の行為は監禁ではないとして容疑を否認しています」

 栗田の動機は何だったのか。女性の持ち物や髪の毛などをコレクションでもしていたのだろうか。別の警察関係者が声を潜める。

「栗田の部屋からはスマホで撮影された写真画像も押収していますが、女性たちの寝顔を撮影した写真があるようです」

“眠り姫”を鑑賞することで欲求を満足させる。そんな歪んだ嗜好がこのコレクターにはあったのか。

「特集 『お姫様抱っこ』で酩酊女性を運び入れる『監禁男』のお部屋」より

週刊新潮 2016年6月30日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。