能年玲奈、有村架純に大人の事情で棚ボタ主演は「黒木華」

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 運と実力。どちらが欠けても物事ははかばかしく進まないけれど、演技派として売り出し中のこの女優は、今、その両方を手にしているかに見える。この4月から連ドラで初主演を果たす黒木華(はる)(26)。その裏には、人気若手女優2人が椅子を空けた「棚ボタ」的事情があったという。

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黒木華

 そのドラマは4月12日からTBS系で放映される『重版出来!(しゅったい)』。大手出版社に入社したマンガ編集者が、出版不況はじめ様々な難題に立ち向かう物語である。

「主人公は大学時代、柔道のオリンピック候補だったという設定。しかし、黒木さんは柔道経験がほとんどない。そのため、昨秋から柔道場に週に1日ほど通い、背負い投げなどの稽古に励んでいました」(スポーツ紙の芸能記者)

 大学時代に野田秀樹氏演出の舞台でデビューした黒木は、2014年にベルリン国際映画祭で日本人4人目の最優秀女優賞を獲得。昨年、今年と2年続けて日本アカデミー賞の助演女優賞も取った。山田洋次、岩井俊二両氏ら有名監督からのオファーも相次ぎ、連ドラ主演の機会はむしろ遅すぎたように思えるのだが――。

■割烹着が似合う

「実はうちとしては、彼女は外れの外れの指名でした」

 と、TBS関係者が意外な内情を明かす。

「昨年、最初にオファーしたのは、能年玲奈。うまく行けば、『あまちゃん』後、初めての連ドラ主演になって話題性抜群でした」

 が、能年が所属事務所と待遇を巡ってトラブルを抱えているのは周知の事実。本人は「辞めてでも出る!」と乗り気だったものの、結局調整が付かず、取りやめとなったという。

有村架純、能年玲奈

「次に接触したのは、ブレイク中の有村架純。彼女も乗り気でしたが、既にこの時、今年だけで映画出演の予定が複数入ってしまっていた。さすがに忙しすぎて無理という判断になってしまったのです」

 こうしてようやくお鉢が回ってきたのが、黒木だったというワケだ。

「2人に比べて黒木さんの方が女優としての実力は上です。ただ、残念ながら顔が昭和っぽくて地味。あくまで助演、脇役として光るポジションで、主役に必要な見る者を惹きつける“華”はやや足りなかった」

 名は体を表す、とはいかなかったようなのだ。

「黒木は、高校時代3年間、主役を張っていましたよ」

 と言うのは、彼女が通った追手門学院高校で演劇部顧問を務めた阪本龍夫教諭。

「彼女が1年生の時のこと。公演直前に本来主役を務めるはずだった先輩が体調を崩してしまい、代わりに黒木が入った。それ以来、ずっと主役です。演技の基礎は出来上がっていますから、私は心配はしていません」

 その代演の芝居が野田秀樹氏の作品で、後の舞台デビューに繋がった。昔から何かを持っていることは間違いなさそうなのである。

 映画評論家の北川れい子さんが言う。

「彼女は“割烹着が似合う女優”と言われたように、受けの人。今回のキャスティングは冒険ですし、視聴率も苦戦すると思います。ただ、逆に抜擢が“賭け”になり、また一つ新たな方向性を見せられれば、さらなるステップアップに繫がると思います」

 演技派女優を超える「真価」が問われるのである。

「ワイド特集 櫻の樹の下には」より

週刊新潮 2016年4月14日号掲載

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