大谷翔平、移籍で買い叩かれる新協定 米コミッショナー言及

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大谷翔平(Ship1231/(Wikimedia Commons)

 新入社員というのは、何かとこき使われるものだ。お茶くみだったり、宴会の盛り上げ役だったり……。一方、中途入社の社員は大抵そのような“雑巾がけ”が免除される。ヘッドハンティングされた場合は尚更だ。

 なぜか。

 新たな雇用者が被雇用者の前歴に敬意を払っているからである――。

 先頃来日した大リーグ機構のマンフレッド・コミッショナーが日本ハム・大谷翔平(22)の移籍について初めて言及し、「大谷にも新労使協定が適用される」と言明した。これにより、今オフに大谷が移籍した場合、現状の年俸が2億7000万円にもかかわらず、6000万円そこそこで買い叩かれることが確実となった。

「要するに、“雑巾がけから始めろ”ということです」

 とスポーツ紙大リーグ担当記者が解説する。

「ドラフトを経て大リーグ入りした選手は3年間、年俸が50万ドル(約6000万円)程度に抑えられます。新人王やタイトルを獲得してもほとんど上がりません。4年目からは調停を受ける権利を得るので、3億~10億円に上がったりしますが、100億円などの大型長期契約は、選手がFA権を行使できるようになる7年目か、所属球団がそれを見越して提示した場合の5~6年目となります」

 華やかなアメリカンドリームは、理不尽な丁稚奉公の先にあった。大谷もそこから始めよ、というのだ。

「新協定についてマンフレッド氏は“アメリカ人と外国人を対等に扱いたかった”とも述べた。しかし、この発言こそが、“大リーグと日本のプロ野球は対等ではない”という差別意識の表れに他なりません」

 大谷の日ハム1年目の年俸は1500万円。3年目に1億円に達したが、3年合計金額は大リーグより下。十分に雑巾がけをしている。

「田中将大の“160億円”契約もさることながら、近年はキューバ選手との超高額契約が相次いだ。それを苦々しく思っていた大リーグの労使の思惑が一致し、新協定が締結されたのです」

 ミスター・コミッショナー。“ヘッドハンティング”という言葉を覚えたまえ。

週刊新潮 2017年3月23日号掲載

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