安倍サプライズの裏に“森友隠し” 南スーダン「陸自」撤収

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 あまりに出来過ぎた話というのが永田町の一致した見方のようだ。10日、PKOのため南スーダンに派遣していた陸上自衛隊を撤収すると安倍総理が発表した。

 防衛省担当記者が言う。

「前日から、防衛省絡みで官邸から発表があると噂になっていたものの、中身までは分からなかった。稲田防衛大臣がここ数日、オフで口数が少なかったことも重大さを物語っていました」

 すると、10日の17時53分に、NHKが撤退についてニュース速報を流した。

「またか、と思いました」

 と、先の記者が続ける。

「速報が流れると、総理と昵懇の仲で知られる政治部の岩田明子記者が解説に登場し、その中身は10分後に行われた総理のぶらさがりと全く同じでした。NHKにリークして、大きく扱ってもらうのは、最近の官邸の常套手段です」

 治安が悪化する南スーダンからの撤退は今月中に表明する予定だった。しかし、なぜこの日が選ばれたのか。

「同日の17時半には森友学園の籠池理事長の会見があり、総理自身が“10日金曜日のこの時間にぶらさがりをやりたい”と指示していたのです。朴槿恵大統領の罷免もあるし、翌日は東日本大震災から6年という節目。森友のニュースを収束させるには絶好のタイミングでした」(官邸関係者)

 さる防衛省幹部も直前、

「森友があるから、官邸が発表するようだ」

 と漏らしていたという。

 実は、ここに至るまでも“森友隠し”の布石が続々と打たれていた。政治部デスクの話。

「6日に北朝鮮が4発のミサイルを発射すると、1日に3度もNSC(国家安全保障会議)を開いた上、能登半島沖に着弾した事実を記者発表ではなく、わざわざ官邸がNHKにリーク。各社が取材に走らされました。北朝鮮に矛先を向けようという意図がアリアリです」

 見え透いた脚本を、世間では“茶番”と言う。

週刊新潮 2017年3月23日号掲載

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