麻生太郎、総理就任を諦め“大宏池会構想” 狙いは

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 周囲に再登板への意欲を隠していなかった麻生太郎氏に、“異変”が見られるという

 2月9日、甘利明前経済再生相が、4人の議員を引き連れて為公会(麻生派)に入会した。麻生派はこれで総勢45人。宏池会(岸田派)の46人に次いで、自民党第4派閥になったのだ。

 政治部デスクの解説。

「麻生さんは今後、谷垣グループや山東派といった少数派閥とまず合流し、第2派閥になったところで宏池会と合流する目論みです。そして最大派閥・清和会(細田派)と双璧をなす“大宏池会”を形成し、会長の座に就く。年末から合流に向けた派閥間の話し合いは重ねられています」

 こうした動きの背景を、自民党幹部が読み解く。

「昨年、総裁任期が3期9年になったことで、安倍政権の長期化が既定路線になり、麻生さんの意識が変わってきた。自身の総裁就任を、半ば諦めたのです」

 無論、ウラがある。

「麻生さんは次の総裁候補を決める“キングメーカー”としてのポジションを狙っているのです。大派閥の領袖となれば、自派閥から自分の息のかかった総裁候補を出せるし、総裁ポストを取れなくても、影響力を発揮できる。盟友の安倍さんも今まで以上に麻生さんを重視せざるを得なくなります」(同)

 しかし、そうやすやすとコトが運ぶとは思えない。

 宏池会担当記者が言う。

「この再編の動きを、岸田さんがかなり警戒しています。もっとも、総裁候補を自任する岸田さんにとって、自派閥の勢力拡大はありがたい話。しかし、シナリオ通り合流に至れば、次期総裁選への出馬の可否は、麻生さんの腹一つとなる。彼は安倍を推すでしょうから、当然、岸田さんの線はない。『総裁選出馬の可能性を自ら放棄すべきじゃない』と、身内から心配の声も出ています。本人も合流について若手議員に“焦る必要はない。どっしり構えていればいい”と語っていましたが……」

 一番焦っているのは、岸田氏本人なのである。

週刊新潮 2017年2月23日号掲載

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