元「水戸泉」部屋の崩壊…親方夫妻に悪評が噴出 怒りの元後援会長が明かす

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 水戸泉と言えば、「塩」。取組前、片手に余るそれを投げ上げ、気合を入れる姿で人気の名物力士であった。しかし、部屋を持って14年、その錦戸親方に「しょっぱい」なんて言葉じゃ済まない大騒動が。結婚したばかりの若妻を巡って、部屋が崩壊してしまったのだ。

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錦戸親方(54)

 大関・豪栄道が全勝優勝を飾った大相撲秋場所。モンゴル勢ばかりが目立つ近年において、稀な日本人力士の優勝であるから、普段とは違う熱気が国技館を包んだことは間違いあるまい。

 千秋楽の後、角界では、各部屋が後援者などを招いて打ち上げパーティーを行うのが通例となっている。

 元水戸泉の「錦戸部屋」も、9月25日の夕刻、部屋から程近い墨田区内のホテルで会を催していた。

 出席者の一人は言う。

「参加者は170人ほどでした。中でも視線を浴びていたのは、親方が春に結婚式を挙げた、22歳年下のおかみさん。桃色の着物に金の帯を締めて綺麗でしたね。おかみさんは実はソプラノ歌手と二足の草鞋を履いている。カラオケで親方とデュエットで『泣きながら夢を見て』という曲を歌いましたが、やっぱり上手でした。会場にはテレビ制作会社のカメラもありましたから、メディアもあの夫婦に注目なんでしょう」

 錦戸親方は現在54歳。親方として脂の乗り切った年齢だが、これまで独身を貫いてきた。そこへ生まれた、待望のおかみさんだから、2人でマイクを握る姿に部屋の隆盛を祈る出席者も少なくなかったであろう。

 しかし一方で、部屋の未来に“暗い影”を感じ取った向きもいたはず。

 この日、力士として、後援者の前に立ったのはたったの3名。半年前は8名だったから、その数は半分以下になっている。また、いつもこのパーティーに仲間を引き連れて出席し、親方の苦労をねぎらってきた「大物後援会長」の姿も見られなかったのだ。

錦戸部屋が入るビル

■解散も囁かれる

「内実、うちの部屋は崩壊したと言っても良い」

 と言うのは、錦戸部屋のさる関係者である。

「春以降、親方への反発で弟子が相次いで辞めています。力士の数が少なく、普段はみな出稽古に出かけるため、部屋はいつもガランとしていて活気ゼロ。また、この6月には、親方の出身地・水戸の後援会『水戸錦戸会』の会長を務めてきた大関修右さんも親方に激怒し、辞任してしまった。大関さんは会社経営の傍ら、部屋の創設以来会長を務め、土俵や鉄砲柱もすべて手配してくれた人。それが辞めてしまったのですから後任も決まらず、解散すら囁かれています。譬えるなら、横綱・白鵬のモンゴル後援会が消滅の危機にあるようなものですから、ありえない話ですよ」

 錦戸親方は、最高位は関脇だが、平成4年の名古屋場所では、13勝2敗で見事平幕優勝を飾っている。身長190センチ超、体重も最高200キロ超と身体に恵まれ、怪我さえなければ大関と言われた実力派だった。12年に引退し、2年後に部屋を創設。「ソルトシェーカー」としての人気と、力士としての実績を引っさげる親方の身に、果たして何が起こっているのか。

 三行半を突きつけた大関前会長に伺ってみると、

「部屋の内情を知ってしまった以上、応援なんか出来ない。もう解散して子供たちは違う部屋に引き取られた方が良いと思います。鉄砲柱だっていっそ鋸で切ってしまいたいくらいだよ」

 そうはっきりと述べるのである。

■人工透析でも寿司

 一体、何があったのか。

 大関氏は言う。

「私がはじめに頭に血が上ったのは、結婚披露宴の翌日でした」

 親方が披露宴を挙げたのは、この4月24日のこと。

 妻の小野友葵子(ゆきこ)さん(32)は北海道出身。昭和音大の声楽科を卒業後、リサイタルデビューし、ソプラノ歌手として各種コンサートに出演──というのが公式のプロフィールだ。

 親方とは3年前に知人の紹介で出会い、翌年、交際、その半年後に同棲を始め、今年2月に入籍した。披露宴は、港区内のホテルで1000人以上を集めて行われ、白鵬や太田昭宏・前国交相、石田純一氏など各界の著名人も顔を揃えた。その白鵬の隣、「主賓」とも言えるテーブルに着いていたのが大関氏である。

 前会長が続ける。

「翌日、『式次第』を読み返していたら、親方の〈将来の目標〉という欄に、〈イタリアでゆきのオペラを観たい〉と書いてあった。それを見て頭に来たんだ。腹の中はともかく、そういう場では〈横綱を育てたい〉とか〈たくさんの関取を出したい〉とか書くでしょう。ただ、親方に電話をしたら反省めいた言葉があり、その時は矛を収めたんです」

 しかし、その約ひと月後の6月頭、再びとんでもない話を耳にした。

「周りから、親方が人工透析を始めたって話が入ってきたんです。それを聞いて、俺は慌てて水戸から部屋へ走った。だって、透析なんて受けるようになっちゃ、弟子の指導なんて満足に出来っこない。あれだけ身体には気を付けるように言っていたのに……。それに嫁さんにも腹が立った。これも周囲から聞いたんだけど、あの嫁は毎日、ブログを更新していて、そこには〈今日は親方とこんなものを食べました〉と、度々天ぷらやら寿司やらの写真が載せられているんです。本来、透析なんてことにならないように親方の身体に気を付けるのが嫁の仕事なのに、一体、どういうつもりだと」(同)

 車を走らす大関氏の頭にもうひとつあったのは、弟子たちの“窮状”だ。本誌(「週刊新潮」)も既報の通り、錦戸部屋は、その直前の5月場所で8名中6名が休場するという異常事態に陥っていた。

「もはや機能していないでしょ。だから部屋に着くなり飛び込んで、“何考えてるんだ!”と言ったんだ。“先々のことを考えなくちゃダメだろ!”“若い衆が大変な時に嫁がブログ書いている場合か!”とね。でも、親方は“いや~ほんとに参りました”という感じ。“嫁が言うこと聞かないんですよね”なんて危機感がまるでないんです。だから思わずカーッとなって、“もう俺は辞めるからな!”と言って出てきたんだ。それ以来、絶縁状態ですよ」(同)

■プラスチックの皿

 いかがだろうか。主張はもっとも、しかし大関氏も厳格すぎるのでは――と思う向きもあるかもしれないが、さにあらず。こうした悪評はアチコチで渦巻いていて、

「親方夫婦が非常識なのは間違いありません」

 と言うのは、先の関係者である。

「例えば、結婚披露宴の時。普通、ああいう席ではみなさん一本(5万円)や二本(10万円)は包んでくださる。それなのに、親方夫婦が出した引き出物はプラスチックの皿とカステラですよ? 出席者の皆さんもビックリして“これ以外にも後から何か届くんですよね?”と周囲に確認していた人もいたくらい。本当に恥ずかしかった。でも、後で周辺に聞いたら、親方もマズイと思っていたそうです。でも奥さんが譲らず、披露宴の2~3日前に2人は大喧嘩になり、最後は親方が奥さんにぶん殴られた、と。とにかく情けない話です」

 もともと、錦戸親方はケチで知られるお人だそうだ。

 別の錦戸部屋関係者の話。

「毎年の九州場所のこと。協会から交通費の手当が出ますが、親方はこれを浮かすため、ワゴン車にみんなで乗って福岡へ移動するのが部屋の通例となっているんです。でも、力士たちが乗るものだから、重すぎて車の重心がぶれて大揺れ。危なくて仕方がない」

 その吝嗇家の親方が一方で、若奥様に関する出費についてはフリーパス。前出の高価な食事に加え、

「ブログには、しょっちゅう〈ネイルを変えました!〉と写真が載りますが、あれだって1回1万円は下らないでしょう。また、親方は、奥さんの歌の練習用として、部屋兼自宅のビルの一室を改装し、防音の部屋を作りましたが、一体、いくらかかったのか。それに加えて、奥さんはイタリアにも部屋を借り、1年に3カ月間は本場で歌の練習にも励んでいるそうですが、これも費用は嵩むはずです」(同)

 こんな有様だから、部屋の周辺では、

「親方は結婚したんじゃない。パトロンになったんだ」

 そんな陰口まで聞こえてくる始末なのである。

「特集 半年で弟子が半減! 地元後援会長も辞任! ソプラノ若妻が可愛くて『元水戸泉』の相撲部屋崩壊」より

週刊新潮 2016年10月6日号掲載

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