著書と発言に見る「鳥越語録」 よど号犯の言い分を“皮膚感覚”で信用?

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 都知事選に敗北した結果、ジャーナリストとしても致命傷を負った鳥越俊太郎氏(76)。では、その「贐(はなむけ)」に、彼の「功績」を振り返ってみることにしよう。以下はご著書とご発言に見る「鳥越語録」。

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鳥越俊太郎氏(76)

 まずは「ボケ」発言から。7月12日の出馬表明会見で彼はこう述べている。

「昭和15年の生まれ。終戦の時、20歳でした。もちろん空襲も覚えています」

 5年で20も歳を取ったと言う鳥越氏の「痴呆(ボケ)」が疑われるが、無論、彼一流の「冗談(ボケ)」であろう。クスリとも笑えないが……。

 続いては、歪んだ「人権感覚」が表れている発言。2008年、大阪で30歳の男性を轢き逃げした22歳のホストを、鳥越氏はテレビでこんな風に庇(かば)ってみせた。

「根っからの悪人ではないと思うんですね」

「酒を飲んでいる、免許がない、警察に捕まる。大変なことになるんで、逃げる。そういう心理に、人間がなることもあるだろうと思うんですね」

 なおこの轢き逃げ犯は、それ以前に別件の詐欺事件で有罪判決を受けている。これを悪人と言わずして、何と言おうか。

■反東京!?

 さらに、鳥越氏のジャーナリストとしての資質そのものを疑いたくなる原稿を紹介する。13年4月に出版された『「拉致疑惑」と帰国 ハイジャックから祖国へ』に、彼は「検証役」として10頁にわたって寄稿している。鳥越氏は小西隆裕や森順子(よりこ)、黒田佐喜子といった「よど号犯」とその妻たちを平壌で取材。後者2人は北朝鮮による拉致事件に関わったとして国際手配されているのだが、彼らに話を聞いた鳥越氏はその原稿にこう記しているのだ。

〈小西氏らの証言に論理的破綻は感じとれなかった〉

〈皮膚感覚としては何か隠しているふうは感じられなかった〉

〈森順子氏、黒田佐喜子氏にも、話を聞いてみたが、(中略)特に不自然なところは感じられず、論旨も説得的で、彼ら・彼女らが「日本人獲得運動をやる必要はなかった」という主張も否定できない〉

 つまり、拉致に関与していないと嘯(うそぶ)くよど号グループの言い分を「皮膚感覚」で信じたというのである。

 拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡力会長が呆れる。

「鳥越氏はよど号メンバーによる拉致工作を告白しているメンバー元妻の八尾恵や、警察の捜査過程を取材していない。その上、主張の根拠が『皮膚感覚』……。ファクトの積み上げではなく、感覚で拉致問題の検証を行うなんて信じ難い。テロを敢行した極端な政治集団であるよど号グループの一方的な宣伝を鵜呑みにしていて、ジャーナリスト失格です」

 最後に、昨年出版された鳥越氏の著書『君は人生を戦い抜く覚悟ができているか?』から引用しておく。

〈小さいころからみんなが好きなもの、支持するものは嫌いでした。だから、子どものころから「反(アンチ)ジャイアンツ」「反(アンチ)自民党」「反(アンチ)東京」を標榜していました〉

 反東京を公言しながら都知事を目指した鳥越氏。彼のこの奇怪な「皮膚感覚」をどうか責めないでいただきたい。世の中に「根っからの悪人」はいないのだから。

「ワイド特集 都知事選挙の『重傷』『軽傷』『致命傷』 『週刊文春』淫行疑惑が封印を解いた『週刊新潮』13年前の『被害女性』証言記録」より

週刊新潮 2016年8月4日号掲載

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