現閣僚ガソリン代一覧 安倍首相500万円 丸川環境相103万円 高木パンツ復興相94万円

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「地球5周分」相当の走行距離にあたるガソリン代を政治資金収支報告書に記載し、世間から疑惑の目を向けられる民進党・山尾志桜里(しおり)政調会長(41)。ここで、現閣僚のガソリン代もざっくり挙げてみよう。

【安倍首相】
12年 573万円
13年 555万円
14年 500万円

【菅官房長官】
12年 223万円
13年 195万円
14年 162万円

【遠藤五輪相】
12年 188万円
13年 197万円
14年 200万円

【丸川環境相】
12年 43万円
13年 194万円
14年 103万円

【高木パンツ復興相】
11年 88万円
12年 85万円
13年 94万円

 ちなみに皆、山尾議員の場合と異なり、プリペイド・カードではなく実費でガソリンを購入している。

安倍晋三首相

■「12周分」の安倍首相

 ご覧の通り安倍首相が突出しており、平均して年間地球12周分にも匹敵。あたかも湯水のごとく使っているようだが、

「下関市と長門市からなる山口4区は単純計算で1000平方キロを超えていて、300平方キロに満たない山尾のところとは次元が違いますよ」

 とは政治部デスク。そのうえ、安倍陣営が毎月10万円前後のガソリンを購入する店の担当者らの話を総括すると、

〈地元事務所には10名ほどのスタッフがおり、それぞれが1台を駆っている〉

 それらを踏まえれば1人で地球1・2周、つまり年間約5万キロ。だから、長距離トラックやタクシー運転手ならずとも“達成可能”な数字と言えなくもない。

菅義偉官房長官

■管長官は……

 その一方で菅長官の選挙区は狭く、40平方キロ弱である。とはいうものの、先のデスクによると、

「額面通りには受け取れませんよ。神奈川県全体が菅さんの選挙区みたいなものですから。それに12年の12月まで自民党は野党で、もちろん菅さんは官房長官でさえない。だから本人も地元を隈なく回っており、ガソリン代が嵩(かさ)んだのでしょう」

 永田町関係者が後を受けて、

「菅さんの秘書の面々が県議や市議となり、県全体へ縦横無尽にネットワークが拡がっている、そんなイメージです。元秘書らが絡んだイベントには現スタッフがどんどん応援に駆け付ける。とにかく常にフル稼働しています」

 今回の「山尾報道」があったあと、

「菅さんは、“そんな額のガソリン代なんてあり得ないよなぁ”と周囲に言っていました。もちろん自身のガソリン代を知らないはずがないわけで、要するに、“自分は地元をしっかり回っている。その結果が地球5周分なんだ”という意味合いで、強気なんですよ」(同)

 官邸ツートップは共に、

「法令に従い適正に処理しています」

 と答えた。こころみに、それだけ走破すれば摩耗するタイヤの関連費用も点検した。12年、13年について、安倍氏が30万円、69万円。菅氏が18万円、14万円であるのに対して、山尾氏は3万円、1・4万円。果たして、タイヤに溝は残っていたのだろうか。

選挙区内で送られた謎のショートメール 発信元が山尾志桜里陣営なら“違法”

■客寄せパンダ

 ガソリンプリカ代のほかにも山尾議員にまつわる“ミステリー”がある。「山尾宣伝メール」もそのひとつで、例えば12年の総選挙翌日には米国から多くの有権者へ〈皆様のお陰で当選致しました.厚く感謝御礼申し上げます.民意を国政へ頑張ります.山尾しおり(以下、事務所電話番号)〉とのショートメールが送信されていた。もしも発信元が山尾陣営であれば、公選法違反ということになる。

 これらについても改めて質(ただ)したところ、最初の取材依頼から7日経った時点では、

「現在事実関係を確認中です。今週中に結果をご報告いたします」

 と答えるばかりだった。この返答の後の4月6日に「元秘書が関与している」と発表した山尾議員だが、東京地検特捜部の元検事で弁護士の高井康行氏は、

「いずれにせよ、多額のガソリン代をプリカ代金という形で収支報告書に計上しているのはあまりに不自然なこと。それに、彼女が検察OBと言われることにも私は釈然としないところがある。なにしろ3年ほどしか検事をやっていないわけで、それは半人前にすらなっていないということなんですよ」

 こんな風にその力量に異議申し立てをするし、官邸幹部のひとりも、

「ご本人は『確認中』と言っているんですね。なるほど、甘利さんの問題を追及していたことを思えば、人には厳しく自分には甘いんだね」

 としたうえで、こう断じる。

「ガソリンってクルマを持って行って入れるものでしょ、普通。プリペイド・カードを買うっていう発想がなかったのでビックリしました。とにかく、そういう人が『客寄せパンダ』みたいに党三役になっているのは本当にいいことなのか。それは、民進党の所属議員たちが考えるべきことでしょう」

 このままズルズル行けば、新党そのものがお釈迦になりかねないのである。

「特集 7日経っても確認中! 民進党のホープが開けたガソリン代『パンドラの箱』 『山尾志桜里』民進党政調会長は地球5周分でも『菅』官房長官も地球5周分!」より

週刊新潮 2016年4月14日号掲載

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