ZOZO前澤社長「株の9割が銀行担保」「アンディ・ウォーホル投げ売り」という窮地

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ZOZO「前澤社長」が失った「打ち出の小づち」(2/2)

 女優との交際や“現金ばらまき”で名を轟かせた前澤友作社長(43)が直面する苦境――。専門家の分析で明るみに出たのは「月に10億円超の資金流出」「資金繰り逼迫」という問題だった。追い込まれたZOZOは、どこで判断を間違えたのか。

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「ZOZOのキャッシュポジション、つまり現金の残高を見てみると、だいたい200億~250億円の間で推移しています。ですから、約240億円の自社株買いというのは、手持ちのキャッシュとほぼ同額であり、相当大きな買い物だったわけです」

 と解説するのは、企業の財務分析に定評のある公認会計士の川口宏之氏である。前回触れた通り、前澤社長は18年5月に保有するZOZO株をZOZOに売却。同社は自社株取得のため、銀行から240億円を借り入れた。

「しかも、購入当時の株価が割安だったなら、そのタイミングで自社株買いをするというのはまだ理に適っていたと言えるのですが、今、振り返ってみれば、それほど割安だったわけでもない。その当時、ZOZOはPB(プライベートブランド)事業を始めて資金需要が増していた時期です。なぜそんなタイミングで自社株を買ってしまったのかは、経営判断として疑問が残るところです」

 加えて川口氏はこんな懸念も口にする。

「ZOZOは約240億円の自社株を取得するために、ほぼ同額を金融機関から借り入れたわけですが、借り入れた債務は返済していかなくてはなりません。その返済の原資をどうするのか。ZOZOは返済の原資にPB事業の利益を見込んでいた節があります。PB事業で儲けが出ると見越して、自社株買いに手持ちのキャッシュとほぼ同額を注ぎ込んでも大丈夫だと考えたのではないでしょうか。でも、そのアテが大きく外れてしまったわけです。想定外の失敗が資金面でも響いていると言えます」

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