安倍総理も開いた口が塞がらない…稲田朋美防衛相の“KY参拝”

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 安倍晋三総理の秘蔵っ子として重要ポストに起用され、「将来の総理候補」とまで持ち上げられるようになった稲田朋美防衛大臣(57)。しかし、年末の靖国神社参拝によって、信用を失いつつある。総理からの重要な「メッセージ」に気付かなかったというのだ。
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 稲田大臣が靖国神社を参拝した昨年12月29日朝、神奈川県内のゴルフ場で休暇を楽しんでいた安倍総理は、記者団に感想を求められると、

「ノーコメント」

 とだけ言って、立ち去った。秘蔵っ子が「勇姿」を見せたわりには、あまりにも素っ気ない対応。実は、その裏で、こう漏らしていた。

「全然、分かってないな」

 一体、何が「分かってない」のか。

 話は、稲田氏が大臣に就任した昨年8月に遡る。

 官邸関係者によれば、

「彼女は、特攻隊の訓練中に亡くなった母方の伯父さんが靖国神社に合祀されていることもあり、終戦記念日に毎年、参拝してきました。それで、昨年も参拝の意向を安倍総理へ伝えたのですが、せっかく慰安婦問題で合意した韓国を刺激したくないと、止められてしまった。それでも稲田さんは、“支援者が『行け』というから、どうしようもない”とダダをこね、安倍さんは仕方なく、参拝できない“口実”をつくってあげたんです」

 8月15日を跨ぐ日程で、陸上自衛隊が派遣されているアフリカ東部ジブチの視察を手配したのである。

「これで一旦は落ち着いた稲田さんでしたが、秋になって再び安倍総理に懇願するようになりました。きっかけは9月の臨時国会で、民進党の辻元清美代議士から、終戦記念日の不参拝を非難されたこと。あの時、稲田さんは伯父さんのことを思い出したらしく、涙ぐんでしまった。それがよほど悔しかったのでしょう。国会が閉じ、役所も休みに入る年末年始の参拝を探っていた」(同)

■政府専用機で大騒ぎ

 そこで安倍総理の打った先手が、12月26日から28日までの真珠湾訪問に同行させることだった。

「真珠湾訪問は、スピーチで“謝罪”や“反省”という言葉を使わなくとも、そういう気持ちを込めて慰霊することが目的ですし、先の戦争を乗り越えた日米の“和解”をアピールする場でもある。一方、靖国参拝は、中国や韓国の反発が予想されるばかりか、米国からもクレームがつく可能性がある。稲田さんを連れて行けば、この時期の靖国参拝はできないと踏んだわけです」(同)

 しかし、そのメッセージは残念ながら、稲田大臣には届かなかった。

 同行記者が証言する。

「彼女は帰りの政府専用機の中で、自分の真珠湾訪問が支持層の保守派からインターネット上で批判されていることを知り、彼らの得点を稼ぐためには“靖国に行かなあかん!”と、騒ぎ始めたのだそうです」

 こうして実現した帰国翌朝の「KY参拝」に、安倍総理は開いた口が塞がらないのである。

「安倍さんは、今回の歴史的な真珠湾訪問が大きな功績になると考えていたのに、稲田さんのせいでケチがつき、大層お冠です。それで、間接的に稲田さんに伝わるよう、方々に不満を言い触らしていますよ」(先の官邸関係者)

 これが「総理候補」とは笑わせる。

ワイド特集「年を跨いだ無理難題」より

週刊新潮 2017年1月12日掲載

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