韓国歴代大統領、政権交代で悲惨な末路 朴槿恵は

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「大変そうだね。今すぐ助けに行ってあげたいくらいだよ」。安倍晋三総理の側近として知られる萩生田光一官房副長官は、朴大統領について訊(き)かれるとオフレコでこう軽口を叩いた。反日言動を散々繰り返してきた彼女の窮地をほくそ笑む皮肉のニュアンスが感じ取れるが、今の朴氏には反論する余裕もあるまい。

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朴槿恵大統領

「恥じ入るほどつらい」

 11月4日、涙を堪(こら)えつつ、謝罪の談話を読み上げた朴氏。鉄面皮で反日発言をしていた当時の面影は微塵も感じられなかった。

 一民間人に過ぎない崔順実(チェスンシル)氏に機密文書が渡り、彼女が国政に介入していた騒動の渦中にある韓国。このスキャンダル発覚後、朴氏の支持率は森喜朗元総理も顔負けの5%まで落ち込んだが、崔氏をはじめ、前首席秘書官が逮捕されるなど、余波は収まる気配を見せていない。

「もはや、朴大統領には何の決定権もなく、すでに事実上の『野党左派政権』になっていると言えます」

 こう解説するのは、韓国での取材経験が豊富な大手メディアの記者だ。

「彼女が野党に協力を仰ぐべく新首相として指名したのは左派系の人物でしたが、もっと左派色の強い人物を首相にしたい野党はこれに反発。韓国政治の停滞は避けられません」

 それどころか、朴氏を弾劾訴追し、強制的に大統領の座から引きずり下ろすことも検討されていて、前出の辺氏は、

「デモの規模が拡大すれば、朴氏が自発的に辞任する確率は50%」

 と見る一方、

「いざ新大統領を決めるとなると、野党側も選挙態勢が整っていないので、来年12月の『正規』の大統領選まで朴大統領は『生殺し』にされることになるでしょう」(同)

■右派から左派になると…

11月5日にソウル中心部で開かれた、朴槿恵大統領の退陣を求める大規模集会

 いずれにせよ、仮に朴氏が大統領の任期を全(まっと)うできたとしても、その後には「韓流王道」が待ち受けていそうだという。

 在韓ジャーナリストが不通大統領の末路を占う。

「退任後、平穏無事に生きていくことはできない歴代韓国大統領の中でも、比較的『被害』が少なかったのは金大中(キムデジュン)と李明博(イミョンバク)です。彼らは親族が逮捕されたものの、自身が罪に問われることはありませんでしたからね。この『穏便』な結末には、金大中の場合、次の大統領の盧武鉉(ノムヒョン)が同じ左派で、李明博の場合、次がやはり同じ右派の朴槿恵だったことが影響しています。逆に言えば、左派から右派、あるいは右派から左派に政権が変わると、前大統領は悲惨な道を辿ることになる」

 そして現下、「ポスト朴」の先頭を走っているのは野党元代表の文在寅(ムンジェイン)氏で、

「彼は親北朝鮮だった盧武鉉政権で大統領秘書室長を務めた筋金入りの左派です」(朝鮮半島事情に詳しい関西大学の李英和教授)

 したがって、

「右派から左派への政権交代の結果、朴氏は退任後に逮捕される可能性が高いと思います」(前出ジャーナリスト)

特集「慰安婦問題の約束不履行? 反日気運の増長?『朴槿恵』大統領炎上でこっち側の嫌な予感」

週刊新潮 2016年11月17日号掲載

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