「蓮舫」新代表が抱える難題…舌禍体質、灰色交際、衆院鞍替え、夫婦生活

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 政治手腕より“選挙の顔”としての起用で、このたび民進党の新代表に就任した蓮舫氏(48)。若くしてトップに至らしめたのは実力より人気だが、その源の一つは舌鋒の鋭さであろう。

 2年前、国会で当時の松島みどり法相を、たかが「うちわ」の配布で辞任に追い詰めたのが、その最たる例と言える。

 民主党時代に同僚だった元議員は言う。

「彼女は“グレートコミュニケーター”。動物的な勘で、瞬時に思いついたことを印象的に、テレビ的に発言する能力は天才的です。蓮舫さんはキャスター時代、テレビの音を消し、その画面の光景を自分の言葉で実況する練習をしていたそうです。同じ頃大学で勉強していた僕らと差が付くのは当然ですよね」

 しかし、その能力が、逆に彼女に舌禍をもたらしてきたのもまた事実である。

民進党の新代表に就任した蓮舫氏(48)

■“軽さ”

 政治部デスクの話。

「事業仕分けの際の“2位じゃだめなんですか”発言で叩かれたのを筆頭に、今回の代表選に関しても、岡田克也前代表のことを“本当につまらない男”と言ったり、討論会で涙ぐんだ玉木雄一郎議員に“男が泣くな!”と言ってみたり。これは男性が“女はおしとやかにしていろ!”と言ったに等しく、逆に蓮舫さんがそう言われたら、それこそ首を取るまで責めたてたでしょう。彼女の発言は党内で“溜めがない”と評されている。どう受け取られるかを考えず、とにかく見出しになる言葉ばかりを次々発しているだけなのです」

 要は、言葉が“軽い”というワケだ。そして、その“軽さ”は、彼女の人格の本質的なものとも見て取れるのだという。

「蓮舫さんの言葉を聞いていると、呑み会の時のノリと一緒だなと思いますよ」

 と、彼女と親しい党関係者。

「彼女の呑み会は、彼女が司会の『踊る!さんま御殿!!』のよう。“お前、その服、〇〇じゃないか~”といった具合に、目に付いたものを突っ込んでいじる独演会です。タバコをプカプカ吸い、ワイン1本を空ける豪快さで、先輩に当たる人の頭をワイングラスでポンポンと叩いているのを見たことがありますし、カラオケでは、ブラウスにチェックのスカートの女子高生コスプレで、プリンセスプリンセスの『ダイアモンド』を歌っていたこともありました」

 きっと一緒に呑むには愉快な方なのだろう。

 しかし、総理の座を狙うにしては、いささか幼く、品格や権威を疑わせるふるまいなのは間違いない。

 そして、こうした“軽さ”が“甘さ”にも結び付くことは想像に難くなく、

「それが現れたのが、大臣時代に追及された“前科持ち”社長との交友です」

 と、先のデスクが続ける。

「覚醒剤使用で逮捕された不動産会社の元社長と、執行猶予期間中に青森のねぶた祭りに行ったり、食事をしていたことが国会で質問された。彼女を政界に誘った、手塚仁雄(よしお)・元首相補佐官の紹介ですが、その人物の素性を調べずに付き合ってしまうことの危険性に無頓着だったのです」

 実は、代表選の最中、党内には「怪文書」が出回っていた。そこには、二重国籍の件に加え、この灰色交際についても記され、今後の“火種”となることが示唆されていたのだという。

■重鎮をどかせるか

 新代表の最初の試金石になるのは、10月23日投開票の東京10区と福岡6区の補欠選挙だ。

 しかし、先のデスクによれば、

「いずれも自民党系候補がリードしている。新代表は2連敗のスタートで出鼻をくじかれそうです」

 また、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。

「次いで課題となってくるのが蓮舫代表自身の衆院鞍替えです。民進党の代表というのは、野党の総理候補とならなければいけない存在。しかし、6年間任期が保証された人が解散権を持つ総理を目指すというのは理屈に合いませんから、次の総選挙で衆院に鞍替えをしなくてはならない。その場合、地盤の東京に選挙区を見つける必要がある。現在、民進党の都連で候補に挙がっているのは、海江田万里・元代表の東京1区と菅直人・元総理の東京18区。民主党をダメにした遺産の2つの選挙区に蓮舫さんが出れば、民進党が変ったという大義を示しやすい。党の重鎮の2人をどかす指導力があるかどうかが注目されることでしょう」

 さらには、

「夫婦の生活はうまく行っているんですかね」

 と、余計な心配までするのはさる同僚議員だ。蓮舫氏の夫は、スキンヘッドが特徴的なフリージャーナリスト・村田信之氏。彼女の本名も「村田蓮舫」である。

「でも彼女のことを“村田”と呼ぶとなぜか怒るんです。夫のことを外では“ムラ!”と呼ぶのも気になりますし、彼女のお母さんなどは陰で“あのハゲ!”と呼んでいる。尻に敷いていることは間違いなく、少なくともアツアツという関係には少しも思えません」

■つまらないのは…

 代表の就任挨拶で「民進党を立て直す」と述べた蓮舫氏だが、目の前には、難題が積み重なっているというワケだ。

 彼女を政治の世界に導いた「後見人」的存在のジャーナリスト・田原総一朗氏は、

「今回、二重国籍の問題などが出てきたのはむしろ良かったと思っています。だって今まで蓮舫は“ごめんなさい”と謝るようなことはしてこなかった。でも、この件は明らかに自分の手抜かりだったのですから、それは認めざるを得ない。謝ることが、彼女の“幅”に繋がると思っています」

 と「成長」を期待する。

 しかし、

「ファッションには人格が出る。そこから見ると、蓮舫さんはあまりに合理的で包容力に欠ける性格だと思います」

 と言うのは、ファッション評論家の堀江瑠璃子氏。

「彼女のファッションは、無表情。政治家という職業、主義主張、話し方、髪型、このすべてが、彼女の“清らかな”白いジャケットとぴたりと一致している。しかし、これではファッションではなくユニフォームです。面白みも雰囲気の良し悪しも何もありません。蓮舫さんは遊びやムダを好まない性格だと思いますが、代表となった場合、包容力も必要です。彼女は岡田さんのことを“つまらない男”と言いましたが、私には、むしろ彼女の方が“つまらない女”に見えるのです」

 色の白いは七難隠す。

 しかし、白いスーツに身を包んだ蓮舫新代表も、抱えた難事の数々はもはや隠しようがない。

 担がれた神輿は意外や傷だらけで、対する自民党のお歴々が陰でほくそ笑む姿が目に浮かぶようなのだ。

「特集 二重国籍! 戦犯幹事長! 灰色交際! 衆院鞍替え! 舌禍体質! 補選2連敗! 夫婦生活! 後ろから弾が飛んでくる民進党代表『蓮舫』船出の七難」より

週刊新潮 2016年9月29日号掲載

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