自民・二階幹事長、“子飼い”復党の派閥拡大工作

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 さながら、道中で仲間を増やす桃太郎である。政治部記者の話。

「8月17日、自民党の二階俊博幹事長が山梨県を訪問。そこで、無所属で二階派の特別会員である長崎幸太郎さんを早期に復党させる意向を示したのです」

早くも“剛腕”を発揮

 長崎氏の地盤は山梨2区。そもそも、05年の郵政選挙で造反した堀内光雄元通産相への刺客が長崎氏だった。

「堀内氏はその後復党し、長崎氏は無所属に。公認問題へと発展しました。今の自民公認候補は堀内氏の長男の妻、詔子(のりこ)氏です」(同)

 二階発言に困惑するのが、自民党山梨県連である。県連関係者が言う。

「前回衆院選で、二階さんは無所属の長崎さんを応援。長崎さんが当選し、詔子さんは比例復活でした」

 長崎氏は今年になってカネと女問題を告発する手紙も撒かれた。なぜ、それほどまでに復党させたいのか。自民党関係者が解説する。

「二階さんの子飼いだからですよ。昨年、中国に3000人引き連れて行ったとき、長崎さんに人数を集めろ、とノルマを課しました。その通りにするし、二階派のパーティーにも支持者を必ず連れてきます」

 それゆえ、

「7月の参院選前、二階さんは当時の谷垣幹事長を訪ね、“長崎を復党させろ。幹事長の一声で出来るんだ”とすごい剣幕で迫ったのです。しかし、谷垣さんは“選挙区調整がつかない”と一蹴。つまり、自身が幹事長になったので、“一声”で決めようということ。背後には、党勢拡大の名のもとに、自派を拡大させたい意図が透けて見える。党内では“自分の損得勘定だけで動くのか”と警戒する声も」

 そんな声とは裏腹に、こんな人も復党対象として名前が挙がっているという。

「亀井静香さんです。選挙は強いし、もともと派閥が一緒ですからね」(同)

 鬼退治にでも行くおつもりか。

週刊新潮 2016年9月1日号掲載

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