キムタクの炊き出しを石原プロ常務が語る「うちみたいなダサい会社がやるもん」

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 発生から2カ月を経た今もなお余震が絶えぬ「熊本地震」。かの地出身の俳人、中村汀女が「夏雲の湧きて定まる心有り」と詠む如く、被災地にも新しい季節が近づく。そんななか現れたのが、他ならぬSMAP木村拓哉(43)。6月12日から、“炊き出しと言えば”の石原軍団とドッキング。無事勤めあげたものの振付け説が流れ、ジャニーズ事務所の頭痛のタネとなっている。

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木村拓哉(43)

 あなたがキムタクなら独立騒動の際にどう振る舞ったか。辣腕女性マネージャーと行動を共にしたか、それとも事務所愛を貫いたか、あるいは……。問いはひとつだが、答えはひとつとは限らない。そして、ご当人が選んだ行動には、容赦なき批判がつきまとっている。

 むろん、キムタクがTOKIO・長瀬智也(37)、そしてV6・岡田准一(35)らと参加した「熊本・益城町での炊き出し」についても、“美談仕立て”“出来レース”など、当てこすりの声があがる。とまれ、これを主導した石原プロの仲川幸夫常務(76)にご説明願おう。

V6岡田准一、TOKIO長瀬智也


「ゴールデンウイーク明けぐらいだったと思いますが、長瀬さんご本人からウチの渡(哲也)のマネージャーに連絡がありました。2人は以前から懇意にしており、“炊き出しやらないんですか? やりましょうよ”という感じの提案だったようです。実は我々もその少し前から熊本に人を派遣し、“やれることがあるのか、何ができるのか”を調べさせているところでした」

 だからといって渡りに船というわけではない。なにしろ、石原プロは炊き出し道具に億を超える額を投じる筋金入りの集団。故にマネージャーは社交辞令としか受け取っていなかった。が、数日後に再び電話してきた長瀬は、木村と岡田の参加希望を告げたのだった。

「心底驚いたのがマネージャー。渡に相談すると、いずれも縁(ゆかり)のある3人だったので、“これは捨て置けない”と。けれど、体調が悪くて同行できないのを残念がっていましたね」(同)

 その後、香盤は軍団が詰め、ジャニーズ側はこれに乗っかる恰好。軍団が11日に炊き出しを始め、アイドルたちは翌日から合流する段取となったのである。

■中居を超えた

 常務が続ける。

「ウチからは所属俳優9名とスタッフ約40名が参加。東京に残ったのは2人だけでした。舘(ひろし)や神田(正輝)、徳重(聡)らはキャンピングカーで寝て、若手俳優とスタッフは民家風の公民館で雑魚寝。炊き出し後は近くのホテルへ全員で出かけ、大浴場で汗を流す毎日でした」

 ジャニーズ側はと言うと、

「基本的に、炊き出しが始まる2時間ほど前に来られました。スタッフは30名ほど。作るのに相当な腕力が必要な焼きそばもうまくこなしていました。それが終わればクルマで帰るんですが、どこに泊まっていたかも、何をして過ごしていたかもわかりません」

 実際は、福岡市内のホテルに滞在し、そこから現場へやって来ていた。これをイジワルに揶揄することもできなくはないが、一方でスーパー・アイドルが雑魚寝というわけにはいかないのも理屈だ。ともあれ12日から15日まで4日間、各3時間ほどの精励恪勤。そしてぶら下がり取材では、

〈石原プロのような仕組みを自分たちも持ちたい〉

 と、殊勝な発言をしたキムタクに仲川常務は、

「以前と違って大人になったという印象はあります。ただ、炊き出しのシステム云々は建前でしょう。そういうのはウチみたいなダサい会社がやるもんですから」

 と感想を漏らす。

 さて、振付け説について、ある芸能プロ幹部は、

「中居(正広)は地震発生後、4月から5月にかけ『3度・3日』、炊き出しに加わっている。それに比べて木村は4日。日数的には中居を超えたわけだよね」

 とし、こう総括する。

「ファンの間には木村こそ裏切り者という空気がある。けれど、事務所としては反旗を翻すことのなかった彼を無下にするはずがない。そのことを改めて印象づけた4日間だった」

 とはいえ、長年のSMAPファンによると、

「延々とメディアが同行しているあたり、全てお忍びの中居くんとは違う。だから、“木村は男を下げた”という意見も出るのです」

 ところで、中居は18日のラジオ番組で、こう“本音”を吐露している。

〈「上半期を振り返るお題ください」っていう告知をしていたんですけども、やめます。後半いろいろあるんじゃないかな、と思いますんで。年末に取っておきたいと思います〉

 新明解国語辞典で【俳優】を引くと、〈演出者や監督のさしずに従って演技し……〉。建前と本音、振付けと素、そして虚実皮膜の間に生きるのが俳優である。

「ワイド特集 一難去ってまた一難」より

週刊新潮 2016年6月30日号掲載

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