高齢の陛下がご公務に追われる理由とは 元東宮侍従が解説

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皇室のお姿―その重要な役割―」講座の詳細をみる
竹元正美(新潮講座)

■ご公務とは何なのか?

 ご高齢であるにもかかわらず、天皇陛下はご公務でお忙しいとよく言われます。ではそのご公務とは何なのでしょうか? 

皇室のお姿―その重要な役割―」(新潮講座)講師で、皇室の歴史と未来を論じる元東宮侍従の竹元正美氏によれば、おおむね次のとおりです。

「天皇は、内閣総理大臣を任命したり国会を召集したりといった、日本国憲法第6条、第7条で規定されている国事行為を行います。海外からの賓客をもてなすことなどは公的行為とされますが、これも大事なご公務の一つです。

 その他に、象徴としてのご活動があります。たとえば被災地へのご訪問は、震災が起きた2011年は6回にもおよび、被災された方々を励まされました。植樹祭や国民体育大会をはじめ種々の国民的行事へのご出席も頻繁に行われています。

 また、歌会始、講書始、雅楽、古式馬術、鵜飼、鴨猟など日本の伝統文化の継承を図る様々な行事もあります。

 さらに、宮中祭祀があります。日本の一年は、元旦の四方拝、歳旦祭に始まり、大晦日の節折、大祓で終わりますが、この間、新嘗祭など数十件の祭儀があります。天皇皇后両陛下は、常に国の繁栄と国民の幸せを祈っていらっしゃるのです」

■皇位の継承はどうなる?

 今、皇位継承順位1位は皇太子殿下、第2位が秋篠宮殿下、第3位が秋篠宮殿下の長男に当たる悠仁親王殿下です。皇位継承は皇室典範により男子皇族に限られていますが、しかし悠仁親王殿下の世代の男子は、他にはいません。125代にわたり継承されてきた皇位は今後どうなるのでしょうか。女性宮家の創設も話題に上っています。また一時期議論された女帝問題はその後どうなったのでしょう。

 知れば知るほど興味が尽きない皇室の行方には、今後も目が離せません。

デイリー新潮編集部

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