「翁長」のカタを持つ「江田憲司」のあらぬ理由

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 すわ「宇宙人」の再来かと思わせる、大胆な上陸であった。

 4月18日、沖縄・那覇を訪れた維新の党の江田憲司代表(58)は、翁長雄志知事(64)との会談後、

「安倍官邸の沖縄への向き合い方は大変憂慮していると、お伝えした」

「一旦、ボーリング調査等は停止して、静かな雰囲気の中で総理が知事と何度も会談を持って、解決策を探っていくしかない」

 などと、翁長知事のカタを持つ発言をしたのである。

 政治部記者が言う。

「今回の会談は、党の沖縄総支部の設立総会に合わせて、急遽セッティングされたものでした。江田さんは橋本龍太郎元総理の秘書官時代に普天間基地の辺野古移設を巡る交渉に関わった当事者。その経験から、橋本元総理と当時の梶山静六官房長官が何度も沖縄に足を運んだように、安倍晋三総理と菅義偉官房長官も信頼関係をつくるところから始めるべきだと、苦言を呈したんです」

 もっとも、従来の「辺野古移設」まで覆すつもりはないようだから、ハトヤマとは違って一応「地球人」。だが、何やら「テレパシー」を送っているらしい。

 維新関係者曰く、その相手は菅官房長官で、

「菅さんは江田さんを政界に誘い入れた恩人ですが、昨年末の総選挙を機に決別してしまったんです。というのも、菅さんが初めて江田さんの選挙区・神奈川8区に入って対立候補の応援演説をし、一時は世論調査で数ポイント差をつけられてしまった。まさか菅さんが追い落としにかかってくるとは思っていなかった江田さんのショックは凄まじく、“絶対に許さない”と怒っていた」

 なるほど、そんな私憤が込められていたのか。

「いや、これだけ繊細な問題に私憤から首を突っ込むほど、江田さんはバカではありません。ただ、以前に“(菅氏が師と仰ぐ)梶山さんだったらどうするかということを、菅さんは考えた方がいい”とも零(こぼ)していた」(同)

 なかなか心が通じないのは、「地球人」の性。

週刊新潮 2015年4月30日号掲載

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