身内も呆れる安倍総理 「ヤジ」暴発の心理学

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 横綱鶴竜が大関豪栄道戦で見せた立ち合いの変化にヤジが飛んだのは、昨年の九州場所。翻って、ヤジを飛ばして品位を落としたのは、“政界の横綱”である。

 発端は2月19日の予算委員会。西川公也農水大臣(当時)の献金問題を追及していた民主党の委員に、安倍晋三総理が放った“一発”だった。ある委員が言う。

「西川さんの政党支部が、農水省の補助金が下りていた砂糖業界団体の関連企業から献金を受けていたことについて、答弁席から“日教組もやっている”“日教組はどうするの”などとヤジった。しかも翌日の答弁で、“補助金が下りている日教組の関連団体から、献金を受けている民主党の議員がいる”と、その意図を説明したのですが、補助金も献金も全くの事実誤認だったんですよ」

 そのことを23日の予算委員会で指摘され、謝罪を求められる羽目に……。

「それでも“誠に遺憾で、訂正申し上げる”の一点張りで、素直に謝りませんでした。そもそも安倍さんのヤジは今に始まったことではありません。野党議員のヤジは名指しで批判するくせに、気に入らないことがあると、“だったら、あれはどうなんだ!”と声を荒らげる。テレビやインターネット中継では聞き取りづらいですが、質問席からはハッキリとわかります。どしっと構えて聞き流すのが総理の器ってもんでしょうに、本当にお子ちゃま」(同)

 昨年の臨時国会でも、民主党の枝野幸男幹事長との“革マル派論争”で躍起になったように、安倍総理には独特の沸点がある。

「とにかく左がかったものが嫌いな人なので、今回も日教組のことが口をついて出てしまったのでしょう。とはいえ、さすがに身内も呆れています。大島理森予算委員長も、後に“第1次政権時より落ち着いていると思っていたけど、時々、瞬間的に反応しちゃうんだよなぁ”と零(こぼ)していましたよ」(自民党関係者)

 横綱の独り相撲なんて、お恥ずかしい限り。

週刊新潮 2015年3月5日号掲載

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