小保方さんは木嶋佳苗に似ている――「STAP細胞」とは何だったのか? 科学者本音座談会(4)

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「小保方(晴子)さん涙の会見」を科学者はどう見たのか。いまや信用が地に落ちた日本の科学界の渦中にいる科学者たちが、一連の騒動の表から裏までを、本音で語り合った。

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榎木英介 ところで、4月9日の会見後、科学にあまり詳しくない周囲のオジサンたちが、コロッと変わりました。もう、小保方さんへの同情の嵐で。

池田清彦 「STAP細胞はあります!」なんて驚きました。だって「神はいます」とか「UFOはあります」というのと変わらない。科学者は証拠を示さないといけないし、会見で泣いたら負けです。でも、号泣県議は辞めさせられたけど、30歳の女性が涙ぐむと、巷にファンが増えるんです。知り合いの普段は辛辣なオジサンも「俺は小保方さんを信じる」と言った。宗教じゃないので、信じるかどうかの問題ではないんですが、彼女が神がかっていたのは本当ですね。「200回以上成功した」なんて、光っただけでしょう。そのとき僕は、木嶋佳苗に似ていると思いました。小保方さんの頭の中では真実に妄想がコンタミ(異物混入)を起こし、自分でもよくわからなくなっていたのではないかと思う。そういう人に周囲は騙されるんですよ。

丸山篤史 あの会見で驚いたのは、緑色に光ったマウスの胎児のサンプルを「ホルマリン漬けにしている」と答えた点です。それがあるなら、第三者機関に提出すればいい話です。

出席者:竹内薫(科学作家)、池田清彦(早稲田大学国際教養学部教授)、榎木英介(近畿大学医学部講師)、緑慎也(サイエンスジャーナリスト)、丸山篤史(医学博士)

「特集 威信と信用が音を立てて崩れ去った 『日本の科学者』本音座談会 『STAP細胞』とは何だったのか?」より

週刊新潮 2014年8月28日秋風月増大号掲載

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