深刻な首都圏のホール不足の背景にある「文化行政」の救いようのない低レベル
学習せず同じ過ちを繰り返す
かれこれ10年近く前だが、首都圏の劇場やホールに関する「2016年問題」が深刻化した。2020年に予定されていた東京オリンピックに向けて、劇場やホールの改修や建て替えが集中し、一時的に使えなくなる座席数は約6万5,000席にもおよんだ。東京厚生年金会館など、民主党政権による事業仕分けの影響で閉鎖された施設が多かったところに、老朽化や耐震構造の不足などを理由に改修や建て替えが集中。公演の需要は高まっているのに会場の数が急減するという、不合理な状況に陥ったのである。...

