秋篠宮さまはなぜ「皇太弟」ではなく「皇嗣」になったのか…還暦を控え「皇位継承」へ抱く思いをひも解くと
親王としての自負
では皇嗣と呼ばれる選択をされた真の理由は何なのだろうか。
「もちろん子供ではないという自尊心もおありではあったでしょう。ただ最大の要因は兄への対抗心のようなものだったのではないでしょうか」(同)
幼少期から優等生の天皇陛下と比較されてきた秋篠宮さま。その反動というわけではなかろうが、学生時代からタバコをくゆらせ、外車を操り、兄よりも先に結婚をした。
「今ならば全く違和感もありませんが、当時は『お兄さまを差し置いて早々に結婚するなんて』と陰口を叩かれたこともありました」(同)
また、結婚後もそれまでの“ヤンチャ”なイメージから「タイに愛人がいる」などと荒唐無稽な噂話を一部のメディアに書かれるなどした。
「ですが、天皇陛下が皇太子時代に行ったいわゆる人格否定発言では『記者会見という場所において発言する前に、せめて(上皇)陛下とその内容について話をして、その上での話であるべきではなかったか』と苦言を呈し、天皇ご在位中は自由な発言がままならなかった父の代弁者を務められるなど、秋篠宮さまは所帯を持った頃から徐々に変わっていかれた。お若い頃の単なる兄へのライバル心が、天皇家を支える親王としての自負心に変化していったのかもしれません」(同)
前出の宮内庁元幹部も「なかなかお世継ぎに恵まれなかった天皇皇后両陛下に代わって男児を授かろうと決断なさった辺りから、秋篠宮さまのご心境には大きな変化があったように感じます」と話す。その上で、こう持論を披露した。
「秋篠宮さまが、ダイレクトに“次の天皇”を意味する皇太子ではなく、歴史上はこれまで1度も存在したことのなかった皇嗣の称号を選んだのは、兄から我が子へと皇位継承がなされることが、最も円滑にことが運ぶ選択肢であり、自然の理にかなうものだと考えられているからではないでしょうか。2周目の人生は、親王としての責務を全うすることで悠仁さまへのスムーズな皇位継承に努められるはずです」
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