「勝って楽になりたかった…」「私はギャンブル依存症です」オンラインカジノで離婚危機のフジテレビ元社員 母が見守る法廷で誓った「再起」
後半のギャンブルは苦しかった
金を貸してくれていた知人の勧めに従い、心療内科に通っていた時期もあったが、「3~4回通って行かなくなった」。なぜ続けなかったのか、と問われ、
鈴木被告「医師には今の状況を報告するだけで、ものの10分で終わってしまう。これなら、結局、自分の意思でやめるしかない、病院に行く意味がないと思って…」
保釈後はギャンブル依存症の治療で「日本一」と言われている病院に通っているという。
鈴木被告「1回1時間くらいの更生プログラムが6回、先週6回目が終わりました。今まで毎週でしたが、これからは月に1回通い治療を継続していきます」
弁護人 「今後はどう生きていきますか?」
鈴木被告「病院に通い、ギャンブルをしない生活を続けます。仕事も見つけ真面目に生きていくつもりです」
弁護人 「ギャンブルから足を洗うと誓えますか」
鈴木被告「はい」
弁護人 「今までできなかったのに、どうして今そう言えるんですか?」
鈴木被告「当時は借金苦がありましたが今はありません。元々は楽しくてやっていましたが、後半は借金を返すことが目的で、楽しいことはなくドーパミンが出ることもなく、ずっと苦しかった」
死ぬまでかかるかもしれません
検察官からは今後の生活について具体的に聞かれた。
検察官 「仕事は何をするつもりですか」
鈴木被告「23年間、制作現場でやってきて、スキルはそれしかないので。何か裏方でやれればいいと思っています」
検察官「家族関係はどうなっているんですか?」
鈴木被告「今は一緒に住んでいますが、迷惑をかけ非常に苦しめましたので、さっき母親が言いましたように(婚姻関係を)解消して、僕は親のところに行くことになると思います」
裁判長から「治療はいつまで続けるつもりなのか」と問われると、こう語った。
鈴木被告「主治医から言われているのは、ギャンブル脳を眠ったままにしておくということです。何年通ったらゼロになるものではないと。今日も、明日もやらなかったという積み重ねなので、死ぬまでかかるかもしれません」
検察側は懲役1年を求刑、弁護側は執行猶予を求め、裁判は即日結審した。
検察側は証拠調べの中で、鈴木被告がオンラインカジノを知ったきっかけが「先輩社員」だったと明らかにした。フジ社員によれば「先輩社員」はAという「ぽかぽか」の元プロデューサーで、7月18日に依願退職しているという。フジテレビにAについて問い合わせたが、「社内調査の詳細については、お答えしておりません」(企業広報部)との回答だった。
前編【オンラインカジノ“6億円ギャンブル”で離婚危機に陥ったフジテレビ元社員 「情けないです」“44歳息子”のために証言台に立った母の嘆き】では、情状証人として法廷に立った鈴木被告の母親の証人尋問の模様を詳報している。
[2/2ページ]