フリージャーナリストが「参政党」ワークショップに潜入 警官も出動! 厳戒態勢の中で語られた内容とは
「いい人たち」の正体
参政党の人たちはみな優しかった。私の素性に気づいた参加者ですら私を批判しない。「いい人たち」の集まりといった印象だ。
と思いきや、後日、抗議者の一人に話を聞いたところ、こんなことを知らされた。
「あの日のワークショップには元在特会(在日特権を許さない市民の会)関係者など、排外主義団体のヘイトスピーチ街宣の参加者が複数いた。排外主義活動は参政党以前からあったが、すでに勢いを失っている。その関係者が後発の参政党に接近しているということ」
ネット上に残された彼らの街宣の写真や映像を確認すると、特定の国や民族への敵意を煽り、時にはナチスのシンボルマークまで用いている。あからさまに「怖い人たち」だ。しかも、そこで名が挙がった一人は、ワークショップで私の素性に気づき「優しく」声をかけてきた人物だった。
「優しい、いい人」だと思ったのに。
国籍ではなく内心によって区別される政治
ワークショップでは同じ研修室内で「懇親会」も行われた。その席で「日本人ファーストの次のキャッチコピーを考えた」という参加者が、マイクで参加者全員に語りかけた。
「『日本を愛する人のために』です。どうでしょう。日本を愛する外国人ならいいですよね。日本を嫌いな外国人はダメ。日本を嫌いな日本人もダメ」
国政政党となった参政党の支持者は、日本人をも内心次第で差別する政治を期待する。これもその場で批判されることなく笑顔で語られ、他の参加者からも笑い声が漏れた。
雰囲気は「優しくていい人たちの集まり」風だが、そこで語られている内容は必ずしも優しくはなかった。
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