フリージャーナリストが「参政党」ワークショップに潜入 警官も出動! 厳戒態勢の中で語られた内容とは

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 石破茂首相が自民党総裁を辞任する意向を発表した。直接的なキッカケは前回の参院選での敗北だ。自民敗北をもたらした原因の一つが参政党の躍進だった。未だに何をやりたいのかが見えにくい参政党のワークショップに、ジャーナリストの藤倉善郎氏が潜入した。果たしてその結果は……。

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互いを批判しない優しい集会

「党員一人ひとりの声を聞いてくれる党」

「マスコミや政府が隠していることを言ってくれる党」

「日本を雛形として世界を大調和に導く党」

 中高年を中心に30人ほどが5、6人のグループに分かれて、「参政党ってどんな党?」というお題で語り合う。男女比は半々で、初参加は私を含め5人。「相手を非難しない」「考えが異なることも楽しみ、全部がまる、正解」などの「グランドルール」の下、優しい雰囲気の中で意見交換が進んでいく。

 8月31日、大阪の堺市立東文化会館の研修室で開かれた参政党の「ワークショップ」。ファシリテーター(講師兼進行役)は、昨年の衆院選に参政党公認で立候補するも落選した池上和日子氏。元衆議院議員の西村眞悟氏の娘である。

抗議者から非難の“洗礼”

 党員以外も参加できるものとして一般告知されていたイベントだが、開催場所は非公開で事前申込制。当日、文化会館内のイベント案内掲示板にも「参政党」の記載がない。施設の受付で会場の部屋を尋ねなければわからなかった。

 研修室の入口では参政党スタッフから身分証の提示を求められ、申込時の名前と照合される。その周囲を警察官が警備していた。

 この「厳戒態勢」は、現在、参政党の全国の街宣や集会に詰めかけている「参政党プロテスト」が原因だ。神谷宗幣代表はじめ関係者の発言や「日本人ファースト」が差別や排外主義だとして抗議活動を展開している人々だ。

 この日の開催場所も事前に情報が漏れていたようで、廊下やロビーには抗議のプラカードを手にした10人ほどの「参政党プロテスト」の姿が。私も他のワークショップ参加者もろとも野次の洗礼を浴びた。

「差別よくないよ!」

「参政党、恥ずかしいよ!」

「(私の服装の)オレンジ色が足りないよ! 忠誠心が足りないんじゃないか!」

 身の危険を感じるような暴力的な態度ではない。実際、警官も彼らを制止したりはしていない。それでも、ただ廊下を歩いているだけで野次を浴び続けるのはやはりつらい。

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