「このままでは日本が壊れる」 世良公則が明かした出馬の真意 「外国人をぎゅうぎゅう詰めにして、観光立国といえるのか」
7月3日の公示日直前、唐突に大阪選挙区での参戦を表明したのがロックミュージシャンの世良公則氏(69)である。新型コロナ政策に疑義を呈するなど、かねて政治的発言を重ねてきた本人に「無所属出馬」の真意を尋ねてみた。
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コロナ禍にあった4年前、世良氏は本誌(「週刊新潮」)で「ワクチンパスポート」(接種証明書)の運用について、
〈免罪符のように扱われるなら、(打たない人との)分断の引き金にもなりかねない〉
そう懸念を表していた。
無所属出馬の理由
既存体制への異議申し立て――ロックとはそうした一面も併せ持つ音楽とされてきたのだが、今回の出馬については、
「コロナ禍でのフリーランスへの補償でも、政府は動きが遅かった。僕は陶芸家でもあるのですが、交流のある輪島塗の職人さんの工房が昨年の能登地震で全壊してしまった。立て直すためにいろいろと動く間、政府の復興対策もずっと見てきましたが、『このままでは日本が壊れてしまう』という思いを強く抱くようになりました」
としながら、
「この30年、日本は経済をはじめ成長が全く見られない。今の政府の政策には何一つ共感できません。僕が政治の外部の人間として陳情や意見交換をさせていただいても、政治家の方々には外からの声が届いていない。つまりヘッドホンをして『ノイズキャンセリング』された世界で政治を行っているのではないかと痛感したのです。ならば同じ世界に入って声を発するしかない。そこで今回、右でも左でもないど真ん中から、とにかく声を上げようと思い立ったのです」
立候補を決めたのは6月下旬だという。
「実はその随分前に『うちから立たないか』というお誘いをいくつか頂いていました。ただ、僕が“立場ありき”で出る意味はないと思っています。大阪という土地柄もあり、あちこちに忖度(そんたく)せずに最も自分の言葉でものを伝えられるのは無所属しかない、との考えに至りました。もし当選しても、そこは変わりません」
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