やっぱり「みどりの窓口」で大混乱! 新幹線トラブルで「最長4時間待ち」の異常事態
パニックに拍車をかける「みどりの窓口」削減策
先のデスクが解説する。
「今年3月、東北新幹線を走行中の『はやぶさ・こまち号』の連結器が外れて緊急停止。昨年9月にもJR東日本では同様のトラブルが起きていたことから、国交省は『重大インシデント』に認定しました」
これだけではない。昨年1月には東北新幹線の架線が破断して停電、終日運休となり大混乱を招いた。昨年3月には東北新幹線・郡山駅で「つばさ号」のブレーキが利かず、500メートル以上のオーバーランをして急停車。乗客が負傷している。
一度トラブルが起きると切符の払い戻しや変更などで乗客は駅の窓口に殺到する。ところがJR東日本は、コロナ禍の2021年に管内440駅にあった「みどりの窓口」を、140駅へと削減する合理化策を発表。昨年までに窓口を半減させたが、時期尚早だったとして計画を一時凍結している。これがパニックに拍車をかけているのだ。
出張で頻繁に新幹線を使う40代会社員が言うには、
「JR東日本の予約アプリ『えきねっと』は使いづらい。航空会社のようにネットで簡単に購入や変更ができず面倒なのに、山手線でさえ多くの駅で窓口が廃止された。大きな駅でないと切符の手続きができない上、トラブルが続けば文句の一つも言いたいよ」
“利用者不在”の合理化
実際、今回の山形新幹線における計画運休では、山形駅の窓口が長蛇の列となり最長4時間待ち。SNSでも“こんな時くらい夜まで窓口を開けて”などの恨み節が聞こえてくる。
そもそも新幹線の安全を揺るがすトラブルは頻繁に起こるものではない。少なくとも同時期に、JR東海やJR西日本などの管内を走る新幹線で、かような大混乱は生じていないのだ。
鉄道ジャーナリストの枝久保達也氏が指摘する。
「この1~2年、JR東日本の新幹線で運行面のトラブルが頻発しています。しかも同種の事象が複数回発生しており、現場の技術力の問題というより、マネジメントが機能していないのではないかと感じています。JR東日本はネット予約へ移行を急ぎ、みどりの窓口を大量閉鎖して混乱を招きました。このままでは安全面でも“利用者不在の合理化が進められているのでは”との不安を招きかねません」
日本の鉄道は「世界一、時間に正確」と称されてきた。遅れはもとより運休など滅多にない。そんな世間の信頼も、これでは崩れかねない。





