コメの流通経路は「際立って前時代的」と「ドンキ」社長が喝破…「小泉大臣」方式の圧倒的なスピード感に「これまで遅かったのは誰のせい?」
“卸悪玉論”にシフト?
吉田社長は6月1日に記者団の取材に応じ、「魚や野菜など、ほかの食品と比べても、コメの流通経路は際立って前時代的だ」と厳しく批判。小泉農水相は「一つの参考にすべき意見」と評価した上で、「コメの流通は透明化をしなければいけない」と意欲を見せた。
備蓄米の流通問題に関してはネット上で「“江藤米”の独占落札でJAは不当な利益を得た」との投稿も散見される。だが、これは事実とは異なるようだ。JAは3月、備蓄米では利益を得ないとの方針を発表している。
一方の卸業者は、小泉農水相が6月5日、衆議院の農林水産委員会で”爆弾発言”を行って話題を集めた。
国民民主党の村岡敏英議員がコメの流通過程で上乗せ額があることを問題視。「流通過程が高騰を起こしている原因のひとつだと考えられる」と指摘した。
これに小泉農水相は「社名は言いませんけど、米の卸売の大手の売上高、営業利益を見ますと、営業利益はなんと対前年比500%くらいです」と回答。「この上がり方は異常。4200円の平均価格がおかしいのではなくて、上がり方がおかしい」と、かなり強い調子で批判した。
こうなると世論は“JA悪玉論”から“卸悪玉論”にシフトするのだろうか。
だが、JAに再び猛烈な批判が殺到する可能性も決して低くない。鍵を握るのは備蓄米制度そのものだ。
第2回【備蓄米の放出で倉庫業者が“廃業危機”報道も…「大量に保管していたのはJA」との指摘 “江藤米”の流通が遅れた真の理由とは】では、JAが“備蓄米ビジネス”を展開している実態をお伝えする。
註1:「今後のコメ価格はせいぜい300円程度しか下がらない」 現場からは批判が噴出 「物流が止まっているのに、小泉さんは何を言ってるのか」(デイリー新潮:6月4日)
註2:パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
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