「プロデューサーから“お風呂入った?”とかセクハラが」「降板理由は…」 今だから話せる「Gメン75」ウラ話 藤田三保子×倉田保昭

エンタメ

  • ブックマーク

降板の理由

――倉田さんはスタートから約4年の2度目の香港編で、藤田さんは約2年で降板しています。どんないきさつだったのでしょう。

倉田 まず、僕たちより前に大二郎さんが辞めたよね。

藤田 1年目に大二郎さんがやった関屋警部補は殉職。

倉田 大二郎さんはプロデューサーに意見したら、「じゃあ、辞めていい」と言われたと聞いているけど。

藤田 スタート時点では彼が主役というプランだったでしょ。でも聞いたところでは、私のアップが多いことが不満で。

倉田 監督は何人かいたけれど、鷹森立一さんは三保子ちゃんの顔をなめるように美しく撮っていたね。

藤田 プロデューサーによると、大二郎さんは「僕と三保子、どっちを取るんですか?」と言ったらしい。

倉田 それを言ったら降ろされるね。大二郎さんがGメンを続けていたら、大スターになっていたのに。

藤田 私もそう思う。ご本人もGメンへの意気込みは大きかったんじゃないかな。

倉田 プロデューサーが三保子ちゃんを選ぶとは考えなかったのかな。今なら話せるけれど、三保子ちゃんは特別扱いだった。僕も一緒に食事をしたことは一度もなかったはず。ご飯を食べたり家に送ったりしたら、プロデューサーにクビにされると感じていたからね。

ここでは言えないパワハラ、セクハラが

藤田 Gメンは、滑走路を歩くオープニングが人気だったでしょ。あれを並んで一緒に撮ったのに、本編の撮影前に消えた人もいた。

倉田 いたね! 大二郎さんの後釜で入るはずだった横光克彦さん。撮影でオープニングと違うネクタイを締めていて、プロデューサーの逆鱗に触れた。

藤田 私もネクタイのせいと聞いていたけれど、あれ、実は私のせいだったらしい。タイトルバックを撮った日にランチを一緒に取ったのが、良くなかったようなの。途中から出演する横光さんは転入生のような立場でしょ。だからよけいな気を使って、私が昼ご飯に誘っちゃった。

倉田 そりゃ、マズいわ。プロデューサーはそんなことを許さない。

藤田 横光さん、すぐに降ろされました。理由を知ってからは、昼も夜も食事はなるべく一人で取るように心がけた。当時は言えなかったけれど、プロデューサーのアプローチ、すごかったの。自宅に頻繁に電話がかかってきて。「今、なにしてるの?」「お風呂は入った?」と。オフの日に自宅マンションの近くから電話してこられたこともあった。ここでは言えないパワハラやセクハラはいろいろ。今だったら第三者委員会を設置しなくてはいけないようなことがたくさんあったのよ。

倉田 女性レギュラーは代々、プロデューサー好みの欧米モデル系の顔立ちだった。三保子ちゃんは婚約してGメンを降りたでしょ。婚約発表してどのくらいで辞めたの?

藤田 すぐクビ。TBSには続けてほしいと言われていたから、プロデューサーの意向だと思う。婚約相手がNHKのプロデューサーだったことも火に油を注いだみたい。私の役は急にインターポールに転属させられた。

倉田 その後仕事は?

藤田 東映は出入り禁止扱い。私、ストレスが原因らしいという膠原病も発病したし、Gメンの後半年ぐらい、疲労から寝たり起きたりの日が続いた。

次ページ:出演をつぶされかけたことも

前へ 2 3 4 5 6 次へ

[5/6ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。