「中国人専用風俗に“闇レンタカー”…」 中国人が違法ビジネスで荒稼ぎ 「同胞インバウンド」の裏側に迫る
「月収50万円以上」
ただ、白タク行為が後を絶たないのは、摘発リスクが極めて小さいという以前に「儲かるから」だ。
王さんは実は、二種免許を取得しており、過去には正規のハイヤー運転手として乗務していた。その時の月収は32万~35万円ほどだったという。
「雇われ運転手の場合、売り上げの半分は会社に持っていかれます。さらに4時間ごとの30分休憩や、去年の法改正からは勤務と勤務の間は11時間空けることが義務付けられ、思うように稼げない」(王さん)
しかし白タクドライバーとなった今は、そうした法律に縛られることもない。白タク営業用に購入したアルファードのローンやガソリン代の支払いは自腹となるが、それでも「月収50万円以上」(同)だという。
白タクが選ばれる理由
一方で、利用者はなぜわざわざ違法な白タクを利用するのか。利用者の話を集約すると、理由は「運賃の安さ」と「融通が利くこと」、さらに「母国語が使える」という点にある。
ケースバイケースにはなるが、都心から羽田空港に行く場合、白タクであれば正規のタクシーより2割以上安いことが多いようだ。また、運転手に追加料金を支払えば、目的地以外への寄り道も可能だ。例えば帰国日に、ホテルから白タクに乗り、道中で食事をしたり買い物をしたりすることもできるという。一部配車アプリでは、こうした寄り道サービスにも対応しているが、より柔軟な白タクが選ばれるようだ。
また、近年では白タクだけでなく、中国人訪日客をターゲットにした「闇レンタカー」も活発に営業している。
個人ガイドを生業とする在日中国人男性、蔡さん(仮名)が明かす。
「中国のSNS上では、訪日客向けに営業する闇レンタカー業者が盛んに集客をしています。業者に料金や保証金を送金すると、レンタカーが置かれた駐車場の付近に設置されているキーボックスの番号を教えられる。キーボックス内には車の鍵が入っており、それを使って車を利用するのです。車のナンバーは『わ』や『れ』で始まる正規のレンタカーではなく、一般の自家用車。もちろん、運転免許証も確認されません」
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