机を叩き、怒鳴りつけ、資料を奪おうと……東京新聞記者の異常な取材方法に厚労省が激怒

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延々と面罵

 2回とも取材時間は「3〜4時間」(厚労省)と、非常に長いものだったという。

「長時間の取材で、記者の方は大声で担当者を怒鳴ったり、机を叩いたり、担当者が持つ資料を奪おうとしたりと、常識では考えられない行為がありました」(同)

 中澤記者は延々と厚労省の担当者を面罵していた。こうなると非常識どころか、異常と言うべきだろう。

「長時間の取材に担当者は困惑し、何より精神的に疲れ果てていました。そこで2人が医療機関を受診したところ、2人が健康被害を受けたことが認められたのです」(同)

 厚労省は「症状の具体的な内容は、お答えできません」とするが、精神的なものであることは言うまでもない。

 さっそく厚労省は、東京新聞に抗議することになった。もっとも、担当者の健康を脅かされたことが理由ではないという。

「たとえ担当者の健康に問題がなかったとしても、私どもは抗議を行ったと思います。取材中の行為自体が問題だと考えているからです」(同)

東京新聞の回答

「東京新聞の局長宛に抗議文を送りました。文中で『厚労省における取材活動を控えていただきたい』と要請しました」(同)

 回答期日を指定して送付した。すると東京新聞は期日内に謝罪と回答を行い、厚労省の要請を受け入れたという。

 つまり中澤記者は厚労省の取材が不可能となったのだ。厚労省に確認を求めると、「我々の要請を受け止めてくれたと考えている」と話す。

 これで一件落着、と思いきや、である。改めて、東京新聞に取材を申し込むと、編集局から文書で回答があった。まずは全文をご紹介しよう。

《本紙紙面に記事を掲載する予定です。》

 中澤記者は2016年2月、ネットメディア「THE PAGE」に「“退社8分後に出勤”で考える過労社会の処方箋『インターバル休息』制度」を寄稿している。

 内容はタイトルの通り、《退社してから次に出社するまで、11時間以上空けることを企業に義務付けるもので、「インターバル休息制度」》を紹介したものだ。

謝罪記事の掲載

 この署名記事の中に、以下のような一節がある。

《社員の健康を害してまで仕事をさせることを是としていいのか――》

 どうしても、《厚労省の担当者の健康を害してまで仕事をすることを是としていいのか》と読み替えたくなってしまう。

 東京新聞は電子版などで10月4日、「東京新聞が厚労省に謝罪 記者が取材で暴力的行為」という記事を配信した。

《東京新聞記者が9月、厚生労働省の職員を取材した際、机をたたいて怒鳴るなど暴力的な行為をし、編集局は厚労省に謝罪する文書を出した》

 記事の文末には、編集局次長がお詫びするコメントが掲載されている。

2020年10月4日掲載

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