韓国が世界に発信「慰安婦ゲーム」の中身 1億ウォン超公費も投入

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 ロールプレイングゲームの題材はファンタジーが多い。韓国で作られたこのゲームの世界も、日本人から見ればファンタジーにすぎないが、制作側は実話だと主張し、公費まで投入されるからやっかいだ。ゲームの主人公は慰安婦である。

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 とまれ、まずはゲームの内容を確認したい。韓国人ジャーナリストによると、

「主人公は日本軍の元従軍慰安婦で、スニという名のおばあさん。彼女が、1992年の駐韓日本大使館前や自分の家と、45年1月のインドネシアの捕虜収容所との間を行き来します」

 日時や場所の意味などを、もう少し細かく聞くと、

「91年8月、“慰安婦だった”と名乗り出た金学順さんが、翌92年1月、大使館前で水曜デモを始めたのが従軍慰安婦問題のはしりで、スニはこの金さんがモデル。だからタイトルも『ウエンズデー』です。45年の舞台はインドネシアにあったアンパラ収容所をモチーフにした架空のサトギン島。スニは時空移動で過去に戻り、当時は知らなかった日本軍の戦争犯罪を暴いていきます。5回まで時間を遡ることができ、その過程で戦争犯罪に関する手がかりを収集。捕虜収容所や慰安所を巡りながら友だちを救います」

 なお、金さんは、朝日新聞の植村隆記者(当時)が「強制連行された慰安婦だった」と誤報した女性だが、どんな経緯でこんなゲームが作られることになったのか。ソウル在住記者が言う。

「制作したゲームブリッジ社のド・ミンソクCEOは34歳で、MBA取得後、2016年に同社設立。“ウエンズデーは、解決されていない日本軍性奴隷問題を扱うゲームで、問題解決に向けて努力している水曜デモを知らせるのが目標だ”と発言。このゲームを“戦犯に対する裁判に役立てたい”と言っています」

 さらには、

「ゲームにはオランダ人の慰安婦被害者も登場。ドCEOは彼女を通じて、西欧社会が慰安婦問題に関心を持つきっかけにしたいとも言っている。また、多くのユダヤ人収容所も参考にしたそうです」

韓国の教育が悪い

 しかも制作費は、

「すでに2億ウォン(約1800万円)ほど投入され、うち1億2千万ウォン(約1100万円)は、韓国コンテンツ振興院の予算で賄われています」

 こんなものが8月14日からダウンロード可能になり、英語や日本語、中国語ヴァージョンも登場するとか。

 龍谷大学の李相哲教授は、

「ゲームに政治を持ち込むこと自体、韓国の異常さを露呈しています。それに慰安婦問題はまだ究明すべきことが多いのに、それを勝手にゲームにすれば、当事者にも歴史にも失礼。そんなことを考える人がいるのは、韓国の歴史教育に問題があるからです」

『悪韓論』の著者で評論家の室谷克実氏も言う。

「ユダヤ人収容所を参考にしたとのことですが、このゲームを監修した正義記憶連帯は、慰安婦問題をナチスのユダヤ人収容所と並べて宣伝し、慰安婦は最後には焼き殺された、としているほどです。しかし、骨一つ出てこない。同じ土俵で論争しても仕方ないということに尽きます」

 土俵――。大相撲のように無観客にできれば、影響も小さくできるだろうが。

週刊新潮 2020年3月26日号掲載

ワイド特集「『ペスト』に学べ」より

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