最高視聴率は41.9% 怪物番組「ザ・ベストテン」が消えた真の理由

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 1970年代後半から80年代の音楽番組はランキング形式が主流だった。TBS「ザ・ベストテン」(1978~1989年)と日本テレビ「ザ・トップテン」(1981~1986年)、同「歌のトップテン」(1986~1990年)である。どうして消えたのか? 調べてみたところ、意外な事実が浮かび上がってきた。

ランキング番組の「敵」はレコード売り上げの操作

「ザ・ベストテン」などのランキング番組が消えた理由について、まず元民放音楽番組プロデューサーに聞いた。

「理由の1つはランキングづくりが難しくなってしまったから。1980年代後半、レコード(CD)の売り上げを人為的に操作する専門業者が現れた。誰かから依頼を受けると、レコードの売り上げを調べるポイントの小売店で特定のレコードを買い漁った。するとレコードの売り上げデータが不公正なものになってしまい、ランキングづくりの妨げになった」(元民放音楽番組プロデューサー)

 レコードの売り上げデータは番組のランキングづくりにとって極めて重要な指針だったのだ。

「ザ・ベストテン」も「歌のトップテン」もレコードの売り上げ、有線放送へのリクエスト、番組自体へのリクエストなどを基に独自のランキングを作成していた。

「ザ・ベストテン」の場合、レコードの売り上げがランキングを決める要素の約6割を占めていた(1986年から放送終了まで)。それなのにレコードの売り上げデータが操作されてしまったら、番組の屋台骨が揺らぎかねない。

 元レコード会社幹部も「レコードの売り上げを操作する専門業者は番組にとって極めて厄介な存在になっていた」と振り返る。あのころ、専門業者の出現は音楽業界で広く知れ渡っていた。

 ランキング形式の音楽番組の時代が終わった1990年当時、番組終了の理由として「音楽の趣味が多様化」「番組を支えていたアイドルブームの陰り」などが挙げられた。どちらも真実に違いない。

 だが、視聴者が納得するランキングづくりが年々難しくなったことも大きかったのである。なにしろランキングは番組の生命線。最大の売り物なのだ。

「今は新曲が毎週発売されるが、当時の発売日は毎月5日と21日が中心。だから専門業者は5日と21日になると、大勢のアルバイトを使い、指示されたレコードの大量買いをしていた」(同・元レコード会社幹部)

 なぜ、そこまでしたのか。言うまでもなく「ザ・ベストテン」と「歌のトップテン」に人気と影響力があったから。

「ランキング入りすると、売り上げが確実に大きく伸びた」(同・元レコード会社幹部)

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