必要のない「すみません」は相手を悪者にする その「礼儀正しさ」は不快と思われる5例

  • ブックマーク

「じつはこれは失礼な行為である」

「厳密にはこれも失礼に当たる」

 当失礼研究所は、そんなふうに重箱の隅をつついて「失礼」を作り出すために、研究を重ねているわけではありません。

 基本の失礼は押さえつつも、自分と周囲が日々を平和に穏やかに過ごすために、失礼とどう付き合っていけばいいかを考えていく所存です。

 ***

「礼儀正しい人になること(礼儀正しい人と思われること)」は、私たちにとって人生の目標のひとつ。当研究所も失礼の正体をあぶり出しつつ、間接的に「礼儀正しさ」とは何かを追究しています。

 この「礼儀正しさ」というヤツは、なかなかの曲者。穏やかそうに見せつつ、じつは意地悪で凶悪で危険な一面を持っています。

 上司である課長に「このあいだの企画書、よかったよ」とホメられたとしましょう。嬉しさを押し隠して、渋い顔で「いえいえ、まだまだです」と謙虚に答えるのは、本人は礼儀正しいつもりでも、けっこう失礼。励ましを込めてホメてくれた上司の気持ちを踏みにじっているし、いい企画書だと思った判断にケチをつけていることにもなります。

 同僚に「髪切ったんだね。似合ってるよ」とホメられたときも、つい「いやあ、切り過ぎちゃって」といった返しをしがち。これも、テレ臭いのはわかるのですが、ホメてくれた相手をガッカリさせます。しかも相手は、「そんなことないよ。バッチリだよ」などと、さらなるホメ言葉を繰り出さざるを得ません。

 どちらのケースも、相手はこちらを喜ばせようとして言ってくれています。前者は「ありがとうございます。課長のご指導のおかげです」と感謝しつつ相手を持ち上げ、後者も「ありがとう。そう言ってもらえてホッとしたよ」と感謝と嬉しさを伝えましょう。それが、お互いが幸せな気持ちになれる、「礼儀正しさ」の有効活用です。

 今回は、相手を不快にさせたり自分の株を下げたりなど、多くの危険をはらんだ「礼儀正しさ」について考えてみましょう。けっして、「これも失礼、あれも失礼」と“失礼認定”に精を出したいわけではありません。礼儀正しいつもりの行為が裏目に出かねないケースをチェックすることで、無自覚の失礼を避ける参考にしてもらえたら幸いです。

次ページ:「逆に失礼」なケース

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]