誰かを見送った後、家のドアを閉めてすぐにカギをかけていいか 昭和の頃はOKだった狼藉

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「じつはこれは失礼な行為である」

「厳密にはこれも失礼に当たる」

 当失礼研究所は、そんなふうに重箱の隅をつついて「失礼」を作り出すために、研究を重ねているわけではありません。

 基本の失礼は押さえつつも、自分と周囲が日々を平和に穏やかに過ごすために、失礼とどう付き合っていけばいいかを考えていく所存です。

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「宴席で後輩に『グラスが空いてないぞ』と暗に一気飲みを強要して、どんどんビールを注ぐ」

「サラダを取り分けた独身女性社員を『おっ、気が利くね。いいお嫁さんになれるよ』とホメる」

「同じミスを繰り返す部下に気合いを入れようと、机を叩きながら『いいかげんにしろ!』と叱責する」

「結婚披露宴のお祝いのスピーチで『次は一日も早いベイビーの誕生を』と、新郎新婦を激励する」

「新幹線や飛行機の中で、隣の席の人に『いいですか?』と許可を求めた上でタバコをくゆらせる」

 お気付きのとおり、令和の時代、どの言動もNGです。

 最後のタバコに関しては、即座に外に放り出されても文句は言えません。それ以外も、大問題に発展する可能性を十分に秘めています。少なくとも、相手や周囲から冷たい視線を向けられ、社会的な評価を大きく下げてしまうでしょう。

 しかし、昭和の頃はどれもOKでした。むしろ「推奨される言動や所作」だったと言っても過言ではありません。今でも当時の感覚が体に染みついている人は、少なからずいます。「いいお嫁さんに」や「ベイビーの誕生を」あたりは、悪気なく繰り出されている場面を目撃することもあるでしょう。

 このように「失礼の基準」や「マナーの正解」は、ほんの20年30年で大きく変わります。50代60代にとって「若い頃に当たり前だった昭和の常識」は、多くが「令和の非常識」になってしまいました。

 とくに大きく変化したのが、セクハラを含む男女の関係や役割にまつわるあれこれと、パワハラを含む会社の人間関係や接し方にまつわるあれこれ。タバコやアルコール、暴力や暴言にまつわるあれこれも、昭和の感覚は通用しません。

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