45歳以上の4人に1人が「人工透析」予備軍! 老化加速物質・リンをどう排出する?

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 人はなぜ老化するのか、そして、寿命はどのようにして決まるのか――。この大いなる謎に、新たな角度から光を当てた研究が注目を集めている。カギを握るのは、沈黙の臓器「腎臓」と老化加速物質「リン」。不老医学の第一人者・黒尾誠教授が明かす長寿の秘訣とは。

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 私は、人間が健康に生きるために大切なのは、「体内の環境を常に一定に保つ力」だと考えています。体内には、日々さまざまな栄養素や水分が入ってきますが、取り入れるべきものは取り入れ、出すべきものは出して、生命活動のために最適な状態を保っています。

 その出し入れが滞って、不要なものが体内に多く溜まり始めると、臓器の機能が落ちたり、代謝がうまくいかなくなって、体の不調や老化現象が現れてきます。その出し入れを、精密にコントロールしている臓器が「腎臓」です。つまり、不要なものを排泄する腎臓の力が衰えてしまうと、健康が損なわれ、老化が加速していくのです。

 では体にとって、過剰に取るとよくないものとは何でしょうか。一般的には、塩分や糖分、脂肪分などがあげられますが、もうひとつ重要なものがあります。それは「リン」です。あまり知られていませんが、リンの取り過ぎは、とてもやっかいな事態を引き起こします。

リンを多く含む食品添加物

 リンは生命に必要な6大元素(酸素、窒素、炭素、水素、硫黄、リン)のひとつで、カルシウムとともに骨を構成している成分です。また、DNAや細胞膜の主成分でもあり、人間が体を維持していくうえで絶対に欠かせない重要な物質といえます。肉や魚、乳製品など、さまざまな食品に含まれていて、普通に食事をしている限り、まず不足することはありません。そして、食品のなかでもとりわけ多くリンを含んでいるのは“食品添加物”です。

 リンは塩分や糖分と違って無味無臭のため、加工食品やファストフード、スナック菓子などを多く食べていると、気づかずに大量に摂取してしまいがちなのです。

 日々、リンを取り過ぎると、次第に腎臓の機能が低下して、血管や細胞がダメージを受けるようになります。その結果、やがて慢性腎臓病や動脈硬化、心臓病や脳血管障害などの疾患を引き起こし、老化を加速させ、ひいては寿命を短くしてしまうのです。

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