ジャングルポケット最大の武器は太田の「真っすぐさ」? ノブコブ徳井が明かす個性的な三人の素顔

徳井健太(平成ノブシコブシ) 逆転満塁バラエティ エンタメ 芸能 2021年8月28日掲載

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 平成ノブシコブシ・徳井健太がお笑いについて熱く分析する連載「逆転満塁バラエティ」。

 第25回目は、「ジャングルポケット」について。

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努力と変化を繰り返し続けたトリオ

 全ての職業において、天才は存在する。

 これまでこのコラムでも、僕が天才だと思う芸人について書かせてもらってきた。

 そんな天才という人たちの中にはごく稀に、時代を読む天才や努力し進化し続ける天才のような、自分の能力を最大限発揮できる”天才中の天才“もいるが、人類のほとんどは秀才と呼ばれる人たちだ。

 努力を重ね、壁にぶち当たり、それでもなお努力を続けるか、諦めるか。

 もちろん僕ら平成ノブシコブシもその類だ。

 自分たちなりの芸を試行錯誤しながら舞台やテレビで披露し、僕なんかはウケることの方が少なくいつ諦めてもいいような人生だったが、それでも恥を忍んで背伸びをし続けている。

 だから僕は、壁にぶちあたっても諦めない人、泥臭くても努力を続ける人に好感が持てるし尊敬している。

 そんな愛を込めて、今回は努力と変化を繰り返し続けたトリオ、ジャングルポケット。

 彼らについて考えてみる。

若手時代から個性的だった三人

 泥臭い。

 ジャングルポケットにはそんな表現が一番似合う。

 東京NSC12期生で、芸歴は僕らよりも七つ下にあたる。同期には世紀の大天才、渡辺直美がいる。

 2006年に結成したジャンポケは若手の頃からわりかし早くに名を上げ、ノブシコブシと同じようなライブで何度も顔を合わせてきた。

 リーダーでツッコミ、ネタ作りも担当している太田(博久)、派手な顔立ちと大声を武器にトリオの顔となったボケの斉藤(慎二)、そして、誰からもいじられる”隙“をもつ、おたけ。

 三人とも若手時代から個性的で、沸点が上がり切った時の面白さは手がつけられない、魅力的なトリオだった。

 コント番組に呼ばれたり、ちょこちょこといろんな番組にも呼ばれたりしていた。

 恐らく、ひな壇に呼ばれ始めた相方・吉村(崇)と同時期に斉藤はテレビに呼ばれ始めたのではないだろうか。

 当時ジャンポケはまだ孤軍奮闘、斉藤の強烈なキャラと大声だけを武器に、後にMCをやるような猛者たちとひな壇で肩を並べていたに違いない。

おたけが起こした珍事件

 その頃、おたけの実家のもんじゃ焼き屋にお邪魔したことがある。

 もんじゃってこんなに美味しいんだ、と驚いた舌の感触がいまだに忘れられない。それくらい美味しかった。今まで僕が食べていたもんじゃは、見た目がもんじゃだっただけで、本当のもんじゃではなかったんだ。

 おたけは料理が上手だった。

 僕がスーパーで買ってきた上質な肉を、集まった芸人に焼いてくれようとしていた。

「これ入れると超美味いんですよ」

 そう言って、おたけは刻みニンニクを入れようとした。

 ニンニクは間違いない。しかも料理上手なおたけの言うことだ。僕らは「おー」なんていう歓声をあげた。

 ただ一人を除いて。

「俺、ニンニク嫌いだから入れないで」

 LLRというコンビの福田(恵悟)がそう言った。僕より二つ下、おたけよりも五つ上の芸人だ。

 なるほど、そういえば福田はニンニクが苦手だったな、と思い出し僕ら芸人一同は刻みニンニクを入れることは諦めた。

 ただ一人おたけを除いては。

「いや、これ入れた方が美味いんですよ」

 おたけは譲らなかった。

「だったら、別のとこで炒めて食べる人だけ上から乗っけりゃいいじゃん」

 福田の当然の願いも虚しく、おたけは淡々と刻みニンニクを高級ステーキにかける。

 福田は黙る。

 僕らも黙る。

 おたけだけは楽しそうに肉を転がしていた。

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