名門・東京ヴェルディで相次ぐ選手の体調不良… 背景に永井監督の“吊し上げ”指導

スポーツ 2021年7月29日掲載

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 ラモス瑠偉(64)、三浦知良(54)、前園真聖(47)、武田修宏(54)……。日本サッカー史に名を遺す有名選手を数多輩出し続けてきた東京ヴェルディ。この名門クラブで今、ただならぬ事態が起きているという。

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 目下、チーム内ではある選手の“不在”が取り沙汰されている。

「18年からヴェルディでプレーしている、奈良輪雄太(33)です。試合には5月5日以降、出場していませんが、6月半ばからは練習も欠席し続けている。しかも周囲には『サッカーを辞めたい』とまで話していて、ただ事ではない。先日チームが彼に事情を聞いたところ、“永井監督の指導”が大きな理由であることが判明しました」(チーム関係者)

 19年から指揮をとる永井秀樹監督(50)といえば、前身にあたるヴェルディ川崎で1992年からプロデビューした人物。16年シーズンで現役を引退して以降は、19年までユースの監督も務めた。クラブのレジェンドの一人にも挙げられる名MFだ。

「永井監督の指導は、とにかくネチッこいんです。選手からは“パワハラまがい”という声も出ています。練習前の普段のミーティングですら毎回1時間以上をかけるうえ、試合に負けるとなると不機嫌になって手がつけられません。試合でミスをした選手の動画を切り取っては繰り返し再生し、『昔のヴェルディなら許されない』、『ラモス瑠偉ならこんなプレーはしない』と怒鳴り散らす。ミスを指摘された選手は委縮するばかりなのです。ひとりの選手を30分ちかく吊し上げることもあり、しかも練習時に気に食わない選手がボールを持っても、掛け声ひとつかけません。結果、悪化しているクラブの雰囲気に、奈良輪は嫌気が差してしまったようなのです」(同)

 5月23日に行われた磐田戦では試合中に左腕を骨折した山下諒也(23)を起用しつづけ、「激痛がある中で90分走った。誰もが同じ熱量で戦わないと」と永井監督が語ったこともあった。これにはサポーターからも批判の声があがっていた。

 まして奈良輪に関しては「筑波大学出身の秀才で、自身のリズムを大事にしながらサッカーに真摯に向き合うタイプ。高卒やユースチーム上がりの選手とは違い繊細なところがある」(スポーツ紙の記者)というから、こんな永井式指導とは相性が合わないのかもしれない。だが、脱落者は、奈良輪だけではなかった。

ほかにも“被害者”が?

「昨年1月から永井監督に声をかけられ加入した井出遥也(27)は、チームに参加した直後の2月末から3月初頭にかけて精神の不調を訴え、高熱に悩まされるようになり、最終的には3週間ほどチームから離脱していました。もともと監督のお気に入りだった井出ですが、シーズン前のテストマッチで監督に不満をぶつけたのを境に出場機会が減らされた。練習時にも監督から声を掛けられることはなくなり、一時は構想外に。監督のあまりの態度の変わりように困惑したことが、体調不良の引き金になったようなのです」(前出・記者)

 永井監督の指導によって、むしろ選手のパフォーマンス低下を招いている面もあるようだ。

「東京五輪のU-24日本代表のトレーニングパートナーに選出された山本理仁(19)は、4月25日に行われたV・ファーレン長崎戦で前半終了後に交代させられました。その試合後のミーティングで吊し上げられて、気の毒でしたよ。理仁のプレーだけ何度も何度も映像を切り取って流し、『怠慢プレーをするなら決定機を3度は作れ』、『お前は(2018年Jリーグ最優秀選手で川崎フロンターレ所属の)家長じゃないんだ』と叱責。せっかく将来有望な若手なのに、1度のミスを何度も指摘されれば凹みますよね。この吊し上げのあと、山本は1泊2日で入院。理由は明かされておらず、また現在は復帰しています。ただ、もともと大胆なサイドチェンジが売りの選手でしたが、最近ではプレーも縮んでいる印象ですね」(同)

 匿名を条件に取材に応じた現役選手も、永井監督の指導法をこう批判する。

「ミーティングでは“主体性”という言葉を頻繁に使いますが、一番主体性がないのは監督ですよ。たとえば練習メニューはリーズ・ユナイテッドのビエルサやマンチェスター・シティのグアルディオラら、有名監督のメニューを真似してばかり。挙げ句、練習時間が通常のチームが行う90分よりも30分~1時間ほど長いのです」

 4月半ばにアウェイで行われたFC琉球戦の移動時には、永井監督の遅刻により、飛行機の離陸が遅れたこともあったと聞けば、たしかに“主体性”には疑問符がつく。また、都内でのコロナ感染者が急増しているこのタイミングで、7月29日から北海道十勝でミニキャンプを強行しようとしていることにも、チーム内からは反対の声が上がっているという。

「永井監督は選手のことを本当に考えているのでしょうか……」

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