「川勝平太」静岡県知事は毛沢東支持者 習近平の政策も絶賛

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 直接選挙で選ばれる都道府県の知事は、こと地元自治体の中に限れば総理大臣よりも強い権限を持つ。確かに、この度の静岡県知事選を制したこの人は、環境保護を訴えリニア建設に待ったをかけ続けてきた。だが、かの国への愛を隠さない姿を見れば、首を傾げたくもなり……。

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「ポスト東京時代に、『富国有徳のふじのくに』を作っていきたい」

 と、4期目の抱負を語ったのは、6月20日投開票の静岡県知事選挙で当選した、川勝平太氏(72)である。

 地元記者が解説する。

「早大政経学部教授や静岡文化芸術大学学長を歴任した川勝知事は、“モノ言う学者”のイメージを武器に、仮想敵を作る手法で存在感を高めてきました」

 これまでも県が建設する文化施設に異議を唱える県議に対し、「ヤクザ」「ゴロツキ」「反対なら県議の資格はない」などと発言。日本学術会議の任命拒否騒動でも、「菅義偉首相の教養レベルが露見した」と批判し、発言撤回へと追い込まれた。

「相手を口汚く罵るのは川勝知事の得意技ですが、背景には“恫喝外交”を得意とする中国への傾倒があるのではないかと指摘する声もあります」(同)

 実際、川勝知事は2010年に訪中して、北京の人民大会堂で当時の副主席である習近平国家主席と会談。一昨年にはG20外相会合で訪日した王毅外相と面会するなど親中派で知られる。

 それだけではない。過去に「人民日報」のインタビューに応じた知事は、こんな中国愛を語ってもいる。

〈20歳のころに『毛沢東選集』(日本語版)全巻を読み、毛沢東の「農村(農民)が都市(ブルジョア)を包囲する」という理論に興味を持ちました〉(「人民日報海外版」12年9月25日号)

 昨年、「レコードチャイナ」の取材に応じた際は、〈この10年の中国人民の力は抜群です。14億の人民をまとめて国力に生かしていくのは、並大抵のリーダーシップではありません〉〈「一帯一路」とした構想力に敬服しています〉などと、習政権への賛辞を惜しまない。だが、世界的に問題視されている中国の排他的な経済政策や、ウイグル族への人権弾圧などには触れずじまいなのである。

 中国出身で拓殖大学客員教授の石平氏はこう憤る。

「毛沢東が主導した文化大革命で、どれだけの中国人民が迫害を受け、殺されたことか。そうした人権侵害の歴史に目をつぶり、独裁者の理論を持てはやす知事が県政を運営することは異様に感じます。彼の政治手法は寛容的精神に欠け、中国共産党を彷彿とさせる。“ミニ毛沢東”と呼んでも過言ではありません」

 白雪が溶けた富士の山は、紅色に染まりつつある。

週刊新潮 2021年7月1日号掲載

ワイド特集「熊出没中!」より

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