元農水事務次官事件、被害者がSNSに残した“痕跡”を辿る 血筋アピールと両親への「呪いの言葉」
「引きこもり」の定義から外れる被害者
2019年6月、元農林水産事務次官の熊澤英昭被告が長男の英一郎さん(44=当時)をナイフで刺して殺害した事件。被害者は生前、Twitterを中心にネット上に大量の書き込みを行っており、そこには現実生活の上手くいかなさや自身の病歴、そして両親への怒りの言葉が綴られていた。令和元年に起こった象徴的な事件を追うノンフィクション『令和元年のテロリズム』(新潮社)を刊行したライターの磯部涼氏によるルポ。連載第5回。
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