「韓国側の批判は筋違い」、ハーバード大教授「慰安婦論文」批判の悪質な点を指摘する

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「性奴隷」ではないことはあきらか

 この文書には朝鮮人慰安婦の契約条件がはっきり示されている。つまり、前払い金、契約期間、料金、食費や宿泊費などの負担、経営者と女性の取り分などだ。

 これを見ると「性奴隷」ではないことはあきらかである。

 そして、彼女たちは、契約書に同意して署名しているとも明記されている。ソク教授がきわめて悪質な嘘をついていることは明らかだ。

 ソク教授の発言を踏まえて、韓国の鄭英愛(チョン・ヨンエ)韓国家族相は「研究者の基本がそろっていない内容」と決めつけたという。しかしそのような失礼な発言は撤回しなければならない。

 ところでこの「米国戦争情報局文書」の信ぴょう性だが、極めて高いと考えていい。

 これは当時日本と戦争していたアメリカ軍が作成したものだ。軍の報告書というものは正確さが求められるので、誇張や嘘は基本的にない。それにアメリカ軍はのちの極東国際軍事裁判のための証拠も集めていたのだから、日本軍に甘い報告書にはならない。したがって信ぴょう性は極めて高いといえる。

 韓国メディアはラムザイヤー教授を親日的だから信用できないと言っているが、この公文書は反日的である可能性はあっても親日的ではありえない。したがって、論文も親日的にはなりえない。

 そもそも、私娼はもちろん公娼の場合でも、たいていは口約束と前払い金の受取書くらいしか交わさなかった。契約書らしきものを交わしたとして、保険証書の裏に書いてあるようなこまごまとした約款が書いてあるものではなかった。

 にもかかわらず、前に引用した文書からも慰安婦の収入や生活・労働条件が保障されていたことがわかる。日本軍が慰安所運営規則によってそう決めていて、それは厳密に守られたからだ。

日本人女性と朝鮮人女性は同等に扱われ

 これは、私娼でもなく公娼でもなく慰安婦を研究対象に選んだラムザイヤー論文の強みでもある。

 私娼や公娼の場合、前払い金、契約期間、料金、食費・宿泊費などの負担、経営者と女性の取り分などは、ケースバイケースでばらつきが大きいが、慰安婦の場合は軍がそれらについてきちんと決めているために平準化しているのだ。

 つまり、一つのケースを見れば、他のケースがどうだったかもだいたいわかる。さらにいえば、軍が規則上、原則として朝鮮人女性と日本人女性を同等に扱っていたので、差はなかった。

 ちなみに米軍が調査したミッチーナーの慰安所の慰安婦の平均月収は300~1500円だった。当時一・二等兵の給料は5円50銭で、慰安所の料金は1円50銭だった。それでも兵士はなけなしのお金をはたいて会いに行き、慰安婦に贈り物をしていた。

 ソク教授は、軍の慰安所運営規則など知らないので、「朝鮮人女性の契約書」が出てくれば、日本人女性の契約との違いが大きいことがわかってラムザイヤー論文の根幹がゆるぐと思っているのかもしれないが、それはない。

「朝鮮人女性の契約書」の提示がないことが、ラムザイヤー論文の瑕疵にはならない。軍の規則上、原則として日本人女性と朝鮮人女性は同等に扱われていたし、料金もラバウル慰安所の一例を除いて、同額だったからだ。

 私はアメリカ第二公文書館でほかの多くの文書にもあたってこれを確かめている。

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